またまた出会えた「ピンジュカン」!(庶民の芸術的娯楽)今回は王道ガムラン タイプ【バリ島】

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バリ島で「風」が音楽を奏でる楽器は、前回の投稿で紹介した「ピンジュカン(プロペラタイプ)」の他に、「スナリ」という竹の節と節の間に細長いスリットを入れ、風がそこを通過すると笛の原理でヒューヒューと音を奏でるものなどがある。

それらの風楽器の中で一番人気なのが、この「ピンジュカン(ガムラン タイプ)」だろう。

野外のどこに設置するかにより目的は異なるが(田んぼでは鳥などを追い、お寺では神様を招き入れ、一般家庭ではその情緒を楽しむ…)基本的には、庶民の芸術性の高い娯楽(バトゥヤン村の村民の談を受けて)といえるだろう。

風を受けプロペラが回ると、その動力で竹のハンマーが竹の鍵盤を叩いてガムラン音楽のような音楽を奏でる。3つの音の高さのちがう鍵盤をどのタイミングで何度鳴らすか。深い音楽への気持ち、探究心なくしてこの楽器は生まれなかっただろう。

風が弱いとゆっくりと優しく、強いと速く激しいピンジュカンの音を耳にしていると、ピンジュカンを通して自然と対話をしているかのような気持になってくる。日本の普段の生活ではなかなか得られない稀有な感覚だ。

バリ人の中にも、自然と接していたいから都市部には住まない。風を感じたいから田んぼのある郊外に住むという人も多々。

大自然と風をごく当然として感じながら生活しているバリ人は、過去においても、現在においても最先端なのかな?

(飯田茂樹 ギアンニャール県プリアタン村にて)