Gamelan

オダラン(寺院祭)の会場に設置されたガムラン・ゴン クビャール(バリ島)
オダラン(寺院祭)の会場に設置されたガムラン・ゴン クビャール(バリ島)

ガムラン(Gamelan)とはインドネシアの民族音楽で、さまざまな大きさの銅鑼(ゴング)や鍵盤打楽器(ガンサなど)による合奏の総称です。銅鑼などは主に青銅製で、そのほかに両面太鼓(クンダン)や竹製の笛(スリン)、弦楽器(ルバーブ)などガムランの楽器は多種あります。また、各地に多様な種類、編成のガムランがあります。


ガムランフェス!ありがとうございました!

バリ島のガムラン・ワークショップ
バリ島のガムラン・ワークショップ
ゴールデンウィーク3日間(5/4,5,6)の「ガムランフェス!〜ジベカの民族音楽祭り〜」は、おかげさまをもちまして無事に終了することができました。
ご参加いただいた皆さま、お手伝いいただいた皆さま、関係者各位、この度は誠にありがとうございました。

至らぬことは多々あるかと思いますが、引き続きインドネシア、民族音楽の魅力を皆さまと共有していきたいと思っております。
何卒よろしくお願いいたします。

飯田 茂樹(ジベカ代表)


*ガムランフェス!の写真や動画は、ぜひジベカのSNSをご覧ください↓↓

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インドネシア大使館主催の文化事業Rumah Budaya(ルマ・ブダヤ:文化の家)バリ島の「ガムラン・アンクルン」のワークショップ無事終了!

熱いお気持ちの受講者の皆さん!ありがとうございました
熱いお気持ちの受講者の皆さん!ありがとうございました
1年半にわたって、ドタキャンや日程変更など一切なく(失礼なこのものの言い様、笑)、淡々と月に1度のペースでインドネシア各地の文化紹介を行って来た「ルマ・ブダヤ」。今回バリ島の「ガムラン・アンクルン」の講師役として参加させて頂きました。

私は1983年から3年間、インドネシア政府の留学制度「ダルマシスワ」の留学生として、インドネシア(特にバリ)の方々、各地の音楽・芸能文化、そしてインドネシア大使館の皆さんに大変お世話になりました(今現在もその関係性は継続させて頂いています、笑)。今の私自身があるのも勿論それらのおかげであると過言なく言い切れると思います。

大使館でのこのような催しに参加させて頂けるということは、微力ながら今までお世話になったことへの還元、お礼の気持ちが当然全面的に出てしまいました。

国際交流という言葉はかなり以前から、普段の生活レベルでも使われるようになりましたが、インドネシアの多種多様な文化は、まだまだ多くの日本の方々に十分に届けられているとは言えない状態だと思います。

NPOジベカ(日本インドネシア・バリ教育文化協会)では、少しでもインドネシア文化活動にお役に立てればと思って活動しています(硬いお話しとなりましたが)

今後とも皆さん、どうそ宜しくお願いします。

肝心のワークショップは、皆さんの熱いお気持ちと、一つにまとまろうという団結力で、バリ島のガムランの雰囲気が出ていたと思います。ありがとうございました。
(飯田茂樹)
嬉しいツーショットありがとうございました。未来の日本を担う子どもたち!色々な経験を積み重ねていって下さい
嬉しいツーショットありがとうございました。未来の日本を担う子どもたち!色々な経験を積み重ねていって下さい
*ほか写真は以下リンク先↓をご覧ください!

こんな新春ガムラン初めに参加させてもらいました(バリではなくジャワガムランだけど)

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(2019年もどうぞよろしくお願いいたします!「クルネガン」というお楽しみガムランの会に参加してきました)


NPOジベカの事務所兼スタジオ(スタジオ・バグース)は、大家さんの敷地内にあり、大家さんの本宅の二階には大家さんの娘さんのジャワガムランのセット(ハーフ)がいつでも使える状態に広げられている。

(スタジオ・バグースと大家さんの本宅の間を、私は「ジャワ海峡」と呼んでいる、笑)


集まったのは、年齢もガムラン経験もさまざまな、ジャワガムラン好きの方々ばかり。得意なレパートリーあり、初めて曲あり、教えられたり教えたり。


「クルネガン」という飲み食べをしながら気軽にガムランを楽しむ会。そこには音楽が好きなら誰でも集える楽しい音楽の理想的な空間がありました。(大家さんの美味しいお食事もありがとうございました)

飯田茂樹


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用意された、かわいいネコちゃんイラスト表紙のガムラン譜例集。凄い!やる気満々!

 

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ユニークな看板がお出迎え

 
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たくさんのジャワガムラン好きが集まりました。子どもの姿も

 

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スーパーモデルのスミさんもいるではないですか(笑)失礼!(スミさん=スミヤントさんはジャワ島出身のガムラン演奏家、影絵つかい。小顔でスタイル抜群なのです)


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「ジャワ海峡」を挟んで右上がNPOジベカのスタジオ・バグース(写真手前がジャワ島、右上がバリ島という設定、笑)

 

おかげさまで「楽器屋台」は繁盛!

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イベントが続いた11月ですが、次はジベカの「楽器屋台」のご報告です。

埼玉県川越市にある公共施設、ウエスタ川越が主催する「第4回 県民ふれあいフェスタ」に楽器屋台が出店しました。

※楽器屋台=音楽・民族楽器を遊び感覚の中で楽しみながら体験できるプログラム

 

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当日は快晴のぽかぽか陽気で、屋外のイベント会場はたくさんの来場者でにぎわいました。
 
ご当地アイドルやゆるキャラ、カレー🍛選手権、特産品などの様々な屋台でにぎわう会場で、ジベカの「楽器屋台」は、珍しい民族楽器や音の鳴るおもちゃ、ガラクタ(にみえる手作り楽器)などを店先に並べ、たまに不思議な音を出したりして、ほかの屋台とはちょっと違う異質な雰囲気をかもしだしていたかもしれません。
 
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しかし、面白いものセンサーが敏感な子どもたちによって次第に楽器屋台に人が集まり、おかげさまで屋台は繁盛。ありがとうございました。

楽器屋台、次はどこに出没するかな?

(2018.11.25 第4回 県民ふれあいフェスタ「楽器屋台」)
 
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スニ・チャンプール再び!「面白!世界の民族楽器大集合」

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先月ジベカが参加したイベントのご報告です。

世界のさまざまな面白い楽器を演奏し楽しく紹介するジベカの「スニ・チャンプール」Seni Campur
今回は、神奈川県相模原市にある周囲を豊かな美しい自然に囲まれた市立串川小学校を訪れました。

元気いっぱいの小学校1年生から6年生までの子どもたちと先生、保護者の皆さまが、心のこもった手作りの飾り(お手製インドネシア料理の昼食まで!)とともに温かく迎えてくださいました。

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南米ブラジルのサンバ音楽にインドネシアのガムラン、竹楽器アンクルン、西アフリカのセネガルからワガンさんによる迫力のサバル太鼓にいろいろ太鼓のセッション、ベトナムの口琴や世界各地の鳥笛などの紹介、イッキくんのかっこいいドラム演奏などなど盛りだくさんの参加型ワークショップ・コンサートとなりました。
 
子どもたちの心に少しでも世界にあるいろんな国のこと、音楽の楽しさが伝わったら嬉しいです。ありがとうございました。
(2018.11.23「紅葉祭」地域交流イベント「面白!世界の民族楽器大集合」)
  
*この日の夜にJ-WAVE(81.3FMラジオ局)で飯田(ジベカ代表)が通訳・コーディネーターとして参加した「バリ島特番」があり、片付け等バタバタの中、飯田から直々の生解説、裏話付きで無事にオンエアを聴くことができたのでした。
 
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インドネシア政府留学制度「ダルマシスワ」の歴代日本人留学生が初めて集まりました!

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先日、日本とインドネシアの国交樹立60周年を記念して、インドネシア政府の奨学金制度「ダルマシスワ」で留学した同窓生約80人が集まり、初めての同窓会が開催されました。(東京・白金台の八芳園にて)

以下、ジベカ代表飯田のレポートです。

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1975年からスタートしたこの留学制度は、延べ約500人の日本人を受け入れ、インドネシアの文化体験を通し、日本とインドネシアの架け橋となる人材を数多く生み出してきました。

その第1号はジャワガムランの佐藤まり子さん(1975年)「インドネシア語を学んでいて偶然に選ばれたのよ」と謙遜されていましたが、日本におけるインドネシアのガムラン文化に先鞭を付けたレジェンドであることに間違いはないです。

ちなみに、その佐藤さんに遅れること7年、バリ島ガムランの留学生第1号(1982年)は私でした。(ちょこっと自慢、失礼!)

私が留学していた時代のインドネシアは、現在とはかなりちがいまだまだ発展途上の駆け出し状態。贔屓目に見ても裕福とは言えない国家状況下の中、日本をはじめ、世界各国から若者たちに貴重な留学という機会を作るインドネシア政府の(太っ腹)には、関心し感謝の気持ちは昔も今も変わりません。

世界の若い世代との関係を大切に考え、自国のインドネシア文化にプライドを持ち、それらを通して人と人、国と国の良い関係を築いていこうとした、このダルマシスワという文化政策。現在色々な方面で成果を出し結実していると言えるのだと思います。

調べた事はないのですが、経済大国の我が日本にも同様な文化政策はあるのでしょうか。なかったらヤバイですよね。

今後もダルマシスワ留学制度の発展をお祈りします。(飯田茂樹)

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パーティの時など、みんなで簡単に踊って騒げるみたいなダンス。(マウメレダンスというらしいです。マウメレとは、インドネシアのフローレス島の町の名前)沖縄県で選挙に勝利した候補者が、カチャーシーと言うのでしょうか、嬉しい気持ちをストレートに表す踊りが時々TVに流れることがありますよね。そんなイメージがありました。好きなんです、こういうゆるい感じのとバリガムランみたいなガチなものが同じ土俵に上がっているようなインドネシアの音楽世界。指導役のアリさんとてもきまっていましたね。ファッションも! 

 

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大先輩ダルマシスワ1期生の佐藤まり子さん、お久しぶりでした

 

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ちょっと混ぜていただきました

 

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開場時にグンデル・ワヤンを演奏しました。隣が結婚披露宴会場だったので、ジャワのグンデル風にゆったり優しく演奏してと、依頼がありました(笑)

 

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プンチャック・シラット(武術舞踊)日本代表の麻生大輔さんとお手合わせ(笑)すみません!

 

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「八芳園」、東京都心にこんな広い自然があるなんて


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帰りに渡されたお土産袋に入っていた、インドネシアのお菓子と「ダルマシスワ」マーク入りバッグ。まめだなあ、いいなあこういうの

 

スバンディ氏の音世界はアクティブに広がり続ける!

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バリ島を代表するガムラン演奏家の一人、多くの仲間から「あいつは天才!」と言われるスバンディ氏(52歳、写真は中央で太鼓を演奏)の、バンド活動を見る事が出来た。

バラワン・バンド(リーダー:イ・ワヤン・バラワン、左の黒シャツギタリスト)の一員として、他にガムラン奏者を3人従えてのライブであった。

バラワン氏のオリジナル曲の他、ソニーロリンズやサンタナ、ビルラズウェルの楽曲の中に、ジャワ島のジャイポンガンの太鼓、バリガムランのガンサ、チェンチェンなどを織り交ぜた、今までに類をみない、エスニックバンドとなっていた。

スバンディ氏の今後の予想もつかない活躍を期待してやまない。
(飯田茂樹)
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スバンディ氏はガムラン・グループ「チュラケン」を主宰

彼のスタジオを訪れた際、おもむろにそばにある楽器で即興演奏をしてくれました。

まさに神業!です。動画はこちら↓

https://www.facebook.com/shigeki.iida.14/videos/1382352638534622/UzpfSTE1NDAyNzU3NTYyMzI5NTU6MjA0MTI2NTc3OTQ2NzI4MQ/

お祭り(オダラン)はここだよー、と告げる「ピンジュカン」

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プリタアン村のグヌンサリ寺院のお祭りは、異例的に3ヶ所同時進行で、さまざまなガムランが鳴り響き、踊りが奉納されていた。

その喧騒(笑)の中で、一番高い所で天空に向けて、「お祭り会場はここだよー」と3セットのガムラン演奏に負けまいと、けなげに告知活動をしていたのはピンジュカン。

時々、田んぼでカカシの代わりに、音を奏でて鳥を追い払っているのがこの楽器。今日出会ったピンジュカンは、風車が回ると竹の小さな2つのハンマーが竹の鍵盤を叩いて1つの音だけを出す、一番シンプルなものだった。(4つの音をガムラン音楽のように演奏するスグレモノもある)

ともすると小さな音で意味がないと思われそうな音も、さまざまな音と共存共栄して、一つ一つがそれなりの存在意義を持って成り立っている。とてもオモシロイ光景だった。

人間社会もそうであってほしいものだ。

飯田茂樹 
(バリ島、プリアタン村にて)

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お供え物かアートか

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2メートルくらいの高さがある供物。米粉に色をつけたものを練って作られています

 

バリを訪れると至るところでバリ・ヒンドゥー教のお供え物を目にします。椰子の若い葉を編んで作られた入れ物に色とりどりの花びらや米、お菓子、時にはタバコなどが添えられた「チャナン」は特によく目にする供物ですが、大きなお祭りや儀式の際はより派手で手の込んだ(お金のかかった)さまざまな供物が供えられます。
 
写真は先日、ウブド近郊ブラバトゥ村の儀式会場にて供えられていた供物。村人百人以上の合同の葬式関係の儀式ということで、そのお供え物の規模も大変豪華なものでした。

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バリの伝統芸能が表現されていました。とっても技が細かい!

 

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バリ島では豚は一番のご馳走。自らの脂身で綺麗に飾られるのも、ちょっと複雑な気もしますが(🐷目線)大変細かく丁寧に作られています

 

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豚の脂身や網脂、串焼きなどで作られた供物。赤いのはトウガラシ。こちらも2メートルくらいの巨大な供物でした


焚かれた線香の香りや供物の花、食べ物、生贄の動物たちの匂いが交じり合い、会場はちょっとした異空間。周りにはずらりと亡くなった方々の灰を祭った各家庭の祭壇が並んでいて、そこでガムラン演奏、舞踊が奉納されたのですが…思えばトランスになりそうな状況ですね。
 
この精緻でバラエティーに富んだ供物、素材は豚の部位や食物でできています。バリの人々の美意識、神への強い信仰心を改めて感じます。それにしてもこのクオリティー…もはやアートの域ではないですか。
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規則正しく積み上げられ並べられた供物。
豚の頭にはたくさんのサテ(串焼き)が冠のように刺さっています

 

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祈りの時間。すごい村人の数です

 

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各家庭の祭壇。わかりやすいようナンバーが付けられています。この晩は、家族で祭壇のそばで徹夜して守りをするとのことでした

 

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奉納舞踊ルジャン

 

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ガムラン演奏。
レヨン(奥)に急遽助っ人参加したルミカ氏(黒ジャケット、奥さまはこちらの村の出身です)

 

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グスアジ(Ida Bagus Oka Wirjana)と呼ばれ多くの人々に慕われ、今年2月に亡くなられたバリ舞踊のマエストロも今回の合同葬儀に含まれており、奉納の舞踊にはバリ島中の大変著名な舞踊家たちが集まりました。写真はイブ・アリニ氏

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バリ舞踊のほか、ラーマーヤナ劇も奉納されました。(写真はバリ舞踊、オレッグ)

 

先生に対する挨拶の仕方(バリ島)

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グンデル・ワヤン道場のボス、ブダ先生
Sanggar Suara Murti @Br.Babakan, Sukawati

 

写真はバリ島での子どもたちのガムラン、舞踊レッスンの様子を写したものです。 

レッスン終了後の挨拶は、日本だと先生にせいぜいお辞儀をしてお別れするくらいですが、バリ島では握手プラス先生の手を自分の額に当てるのが丁寧なご挨拶。

そんな作法を見てるだけでも、ずいぶんと先生に対しての尊敬の念、感謝の気持ちが伝わってきますね。

ちょっと微笑ましいバリ島の習慣をご紹介しました!

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バリ舞踊のレッスンを終えた子どもたち。たくさんの生徒たちに慕われているスティルタ 先生
Sanggar Lokananta @Br.Mukti, Singapadu

 

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戦士の踊り「バリス」を練習する男の子クラス。
いつも優しく陽気なスティルタ先生も、レッスン中は真剣そのもの

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レッスンが終わればいつものスティルタ先生に😊

本当に教えることが大好きで、子どもたちの成長のことを一番に考えている素晴らしい先生です。

 

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かつてはバリ島ではどちらかというとマイナーな楽器だった「グンデル・ワヤン」を学ぶたくさんの子どもたち!

 

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大学生になったセンディさんは、ブダ先生の片腕として活躍中。その指導の様子は堂々としたもの!

 

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今では教える存在へと立派に成長した中学、高校生の有能なアシスタントのお姉さんたち。
レッスンはレベル別にいくつかのグループに分かれ、同時進行で敷地内のあちこちで練習!とにかくにぎやかです!
 

バリ女子たちは日本で何を思ったか

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バリから来日されたアーティストの皆さんは、無事に帰国されたとのこと。台風の影響が出る前で本当によかったです。

バリの伝統芸能を本場から直輸入で紹介し、たくさんの日本の人々を魅了しました。

今回来日された5名のうち、3名はまだ10代の女の子。今回が初海外、初来日でした。

彼女たちは故郷のバリ島を離れ、遠い海外で何を思い、何を感じたのでしょう。

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写真は先日の本番前の練習の日のこと。
たまたま、私たちの前の部屋の利用者が日本舞踊を練習しており、少し見学をさせてもらいました。

初めて聞く日本の伝統音楽、そして着物を身にまとい扇を持って踊る姿を女子たちはじっと見つめ、時おりスマホで撮ってみたり。

「どういう場面で踊られるんですか?」と質問するなど興味津々の様子でした。

彼女たちにはまたいつか改めて、今回の日本での滞在のことを伺ってみたいな、と思います。


オマケ(本番前の練習風景より)

1.シンクロする親子

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2.体を張るジベカ理事長(60歳)

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バリ舞踊とケチャッのワークショップ@東京学芸大学

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せっかくバリ島より才能豊かなバリ芸能の指導者(もちろん素晴らしい演奏家でもあります)が来日しているのに、この機会を逃すわけにはいけない!ということで、先日、東京学芸大学の学生を対象とした集中講義を行いました。
 
まず初めにブダ氏と娘のセンディさんによるグンデル・ワヤン(バリ島の影絵芝居「ワヤン・クリ」の伴奏ガムラン音楽)の演奏。そしてクンダン(太鼓)のデモンストレーション。続いてスティルタ氏によるバリ舞踊(バリス)。学生たちはじっと息をひそめて生のガムラン音楽を聞き入り、初めて見るバリ舞踊に目は釘付けに。しかし初めての異文化に、まだ少々戸惑い気味の様子も感じられました。
 
恥ずかしがり屋の日本の学生との距離がぐっと縮まるのはここから。スティルタ先生のバリ舞踊ワークショップのスタートです!スティルタ先生は前へ出て並ぶのに遠慮がちな学生たちの手を引き(連れていかれた学生は「えー!」と言いながらもどこか嬉しそうな表情…)均等に学生を並ばせると、まずはアグム(バリ舞踊の基本のポーズ)の練習から。想像以上にきつく、今までしたことのない姿勢に一同「ひぃひぃ」と悲鳴を上げながらも楽し気な様子。先生は学生たちの間をまわり、正しい姿勢に修正していきます。(女生徒に対するときは心持ち嬉しそうなスティルタ先生 笑)

アグムのほか、スレデットというバリ舞踊の特徴的な目の動きの練習も。先生の手本のあまりに早い目の動きに大きな歓声が起こり、驚愕する学生たち。バリ舞踊初体験の皆は一生懸命できる限り指導についていき、気が付くとすっかり打ち解け楽しそうに参加していました。スティルタ先生の指導力、生徒たちの気持ちを惹きつける力に改めて感嘆しました。

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引き続いてケチャッのワークショップ。学生たちはケチャッのことを知ってはいましたが、実際にやるのはもちろん初めて。皆、とても楽しみにしていた様子でした。ここからはブダ先生の出番。まずはリズムをキープする役の生徒の選考から。選ばれた男子生徒はやる気満々に大きな声で「ポンポン…」と発声してくれ、それを聞いたブダ先生、スティルタ先生は「お!いいね!」と嬉しそうな表情。

皆んながどんどん積極的になるにつれ、両先生ともにさらに指導に熱が入り、次々と高いレベルの課題に挑戦させます。学生たちもよく応えてくれました。ブダ先生の「チャー!」の合図の声はますます大きくなり、スティルタ先生もどんどんブダ先生を食い気味に積極的な指導で、ワークショップはヒートアップ!学生たちは始終楽しそうで、最終的にはかなり完成されたケチャッが仕上がりました。
 
最後に質疑応答を経て、特別夏期集中講義は終了。短い時間ではありましたが、今まで接したことのない異文化、音楽世界を体験したことは、学生たちにとって間違いなく大きな経験となったと思います。
ブダ先生、スティルタ先生、大変貴重な授業をありがとうございました。

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Terima kasih banyak atas bantuannya, bpk Ketut Buda, bpk Wayan Sutirtha, Sendy, Tya dan Devi… Kami sangat senang kerja bersama sama. ARIGATO/SUKSMA
飯田茂樹(ジベカ代表)
 
受講生:大学3年生(小中高音楽教員課程)27名
2018.8.3 東京学芸大学(小金井市)芸術館ホールにて
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バリ島の影絵芝居ワヤンとバリ舞踊@あーすぷらざ

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昨日はインドネシア・バリ島より素晴らしい舞踊家、演奏家を迎え、多くの皆さまにほんの一部ではありますが、バリの伝統芸能をご紹介できたことを大変うれしく思っております。

イベント(第2部ワヤン)にご参加いただいた方から、次のような嬉しいメールをいただきました。

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今日はバリの影絵イベントありがとうございました。
幻想的な雰囲気の中、子供達も元気で、
ナビゲーターをされた方のトークも素敵でしたね。
「バリで上演するよりバリらしい雰囲気」と言われ、可笑しかったです。
バリ語はわかりませんが子供たちには全部通じてたと思います。
開放的な設定をして下さり、それも感動的でした。
衣装も素敵で、黄色のクロス、とっても気品がありました。 
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「バリで上演…」というのは、観客の皆さんの反応が良く、大変盛り上がってくれたことからの飯田(ジベカ代表)のコメントです。ダラン(影絵つかい)のセンディさんは話が進むにつれ、どんどんのってきた感じが伝わってきました。

センディさんのお父さま、ガムラン演奏家ブダ氏との息もぴったりで(さすがですね!)ワヤンの伴奏音楽グンデル・ワヤンで影絵芝居をさらに盛り上げました。

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ワークショップではバリ舞踊家スティルタ氏のわかりやすく、温かい指導に日本の子どもたち(大人も!)は一生懸命応えてくれました。スティルタ氏の教え子ティアさん(実の娘さんです)、デフィさんのお二人ははアシスタントとして、手取り足取り参加者のサポートをしてくれました。きっとバリでもお姉さん先生としてお手伝いしているんでしょうね。とても慣れた感じで、ポイントを押さえて指導していました。

バリ島では、年上の子どもたちは自然と小さな子の面倒をみます。さまざまな年代が混ざり合って共に成長していきます。だからバリ人にとって小さな子どもの扱いは慣れたもの。昨日はたくさんの元気な子どもたちが参加してくれたことで、会場の立派なホールがまるでバリのような雰囲気となったように感じました。

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改めて、このような機会をもつことができたことに感謝します。
ありがとうございました!
suksma..🙏

 

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【第1部 バリ舞踊ワークショップ】
指導(男性舞踊バリス):Wayan Sutirtha
アシスタント(女性舞踊ペンデット):
Luh Gede Wahyu Satyaningrum
Putu Devi Kariasih 

【第2部 影絵芝居ワヤン】
《演目》Matinya Niwatakewaca(ニワタカワチャ死する)
ダラン(影絵つかい):Kadek Candy Cintya Dewi
グンデル演奏:
Ketut Buda Astra
Shigeki Iida
Yuriko Ito
Aiko Omori

コーディネート:Atsushi Ozawa
Terima kasih atas bantuan.. Suzuki, Sato dll.

2018.8.1 あーすぷらざ(神奈川県立地球市民かながわプラザ)プラザホールにて開催

8/1の出演者(講師)紹介!

バリ島より演奏家、舞踊家たちがいよいよ来日!クトゥッ・ブダ氏(ガムラン演奏)、ワヤン・スティルタ氏(バリ舞踊)は現役で活躍するかたわら、自身が主宰する団体(ブダ氏:スアラ・ムルティ Sanggar Suara Murti、スティルタ氏:ロカナンタ Sanggar Lokananta)にて多くの子どもたちを熱心に指導しバリ島の伝統芸能の継承の一端を担っている方々です。

今年は日本インドネシア国交樹立60周年の節目の年。今回のイベントが多くの皆さまにインドネシア・バリ島の伝統芸能を知っていただく機会となり、ますますインドネシアと日本の繋がり、友好関係が深まるよう願っております。
 
【バリ島の影絵芝居ワヤンとバリ舞踊】
◼︎日時:8月1日(水) 
◯第1部バリ舞踊 14:00〜14:45(要予約)
※定員に達したため現在新規のお申込みは受け付けておりません。ご了承ください。
◯第2部影絵芝居 15:00〜15:45(予約不要)
◼︎場所:神奈川県立地球市民かながわプラザ「あーすぷらざ」(JR根岸線 本郷台駅 改札出てすぐ)
◼︎参加無料
◼︎出演:
Ketut Buda(クトゥッ・ブダ)
Wayan Sutirtha(ワヤン・スティルタ)
Kadek Sendy(カデッ・センディ)
ほか

司会進行:飯田茂樹(ジベカ代表)
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スティルタ氏主宰団体「サンガル・ロカナンタ」の発表会の様子。すごい子供の数!発表の場は子ども達のやる気をさらに伸ばしますね(スティルタ氏:中央右の青いシャツ、白いウダン(ハチマキ))

 

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外国人留学生を指導中のスティルタ氏(国立芸術大学ISIデンパサールにて)

 

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ワヤン(影絵芝居)の上演前。ダラン(影絵つかい)はセンディさん、演奏者はブダ氏の教え子たち(2015年度バリ芸術祭にて)

 

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センディさん(左)、ブダさん(右)
8/1当日の親子共演グンデル演奏も楽しみです

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スティルタ氏の教え子たち。戦士の踊り「バリス」を練習中。真剣な表情!

 

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ブダ氏主宰団体「サンガル・スアラ・ムルティ」の練習風景。楽器グンデル・ワヤンのたくさんの数にも驚き!
アシスタントの先輩女子たちは、楽器の反対側から叩いて指導。驚愕!

 

団地にジベカの楽器屋台、出現!

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とある夏の休日の昼下がり、多摩ニュータウンの商店街のお祭りにて「楽器屋台のミニ演奏会」を開きました。昭和40年代に建てられた団地群は大変ゆとりを持って並んでおり、団地の間をゆったりとやさしい風が吹いていました。
 
高齢化が問題とされている多摩ニュータウンですが、当日は祭りの出し物の紙芝居に多くの子供たちが集まり、元気な声が響いていました。設営されたテントの下では、老若男女がかき氷や屋台のビール(かなり良心的価格)を片手に、談笑しながら食事をとるなど大変和やかな雰囲気で、きっと昭和世代でなくても郷愁を誘われる…そんな光景だったのではないでしょうか。

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そこへ突如、「楽器屋台のミニ演奏会」スタート。飯田茂樹(ジベカ代表)のティンクリック(バリ島の竹のガムラン)が団地内に響き渡ります。軽快な音に誘われてか、少しずつ人々が周りに集まってきてくれました。
 
今回の「楽器屋台」はバリ島のガムランのほか、世界の民族楽器を皆さんに紹介し楽しんでいただく「ミニ演奏会」スタイル。ブラジルのタンバリン「パンデイロ」演奏では、W杯サッカーでのブラジル敗退の悲しみを押し殺し(?!)ながらも、おなじみイーチャン・タッチャンが元気に場を盛り上げました。ベトナムの口琴、世界の鳥笛、バリ島のガムラン・アンクルン演奏など、陽気な(怪しい)おじさん二人組が繰り広げるパフォーマンスに徐々に引き込まれる会場にお集まりの皆さん。

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スプーン演奏。スプーンを持たせたら最強おじさんコンビ

 

スプーン演奏では、タッチャン作曲の新作『スプーン・エスパーニャ』を公の場で初お披露目!超人技のタッチャンのソロ演奏に、カレーを食べていた子ども達も思わず手が止まり、ついつい見入ってしまうほど。(よい子はカレーを食べているときはマネしないでくださいね)また、バリ島のガムラン「グンデル・ワヤン」演奏では、それまでのコミカルな雰囲気は一転、遠い南の島、インドネシア・バリ島の伝統音楽が演奏され、集まった皆さんはじっと耳を傾けて聴いてくれました。(演奏:イーチャン、アイチャン)

 

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バリ島のガムラン「グンデル・ワヤン」の演奏。急遽テントから飛び出て、皆さんに向かって演奏しました

 

最後はジャワ島の竹のハンドベルともいわれる伝統楽器、アンクルン演奏。柔らかな竹の音色を伴奏に「七夕さま」を観客の皆さんも一緒に合唱し、楽しく盛り上がったところでお開きとなりました。


休日の昼間、夏空のもとで開かれた「楽器屋台のミニ演奏会」。お祭りの出店で購入した飲み物や食べ物を片手に、家族や気の置けない仲間とゆっくり楽しむ時間に流れる音楽。そんな音楽ほど、楽しいものはないのではないでしょうか。今回、このような場で演奏ができたことを大変嬉しく、幸せに思います。(演奏後のビールも最高に美味しかったです)
 
またどこかで楽器屋台の演奏会を開催できますように☆ たくさんの皆さんにお会いできますように☆ 引き続きどうぞよろしくお願いします!

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演奏会後、興味津々で集まってきてくれた子どもたちと即席の楽器体験コーナー

 

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本日のご褒美。サムライブルーTシャツを100円でゲット!&ビールがうまい

 

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矢吹誠さんとトーク&竹楽器パフォーマンス!

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古くからの友人、教授(サカモトリュウイチ)との昔話も聞かせていただきました

 

7月12日のイベント、第2回インドネシア・トーク・ライブショウ「矢吹誠さんとトーク&竹楽器パフォーマンス」の報告です。

終わってからの矢吹さんの一言。
「話し足りないですね」
 
矢吹誠さん、ご出演いただき貴重なお話をたくさんありがとうございました。もっともっとお話を伺いたかったのですが、限られた時間の中、フランス・マルセイユでの「バンブー・オーケストラ」の活動のこと、バリ島の「生活に根差した音楽」の魅力、素材を生かした竹楽器の音楽の創造、西洋音楽とは異なるアジアの音楽観、これからの人類が必要としているもの…(と書くとかなり壮大なテーマですね笑)など、多岐にわたるお話をしてくださいました。
 
また、トークのほか演奏、アンクルン(ジャワ島の竹楽器)の指導もしていただきました。改めましてこの場を借りて、矢吹さん、参加者の皆さまにお礼を申し上げます。

今回ご参加できなかった皆さまのため、写真で少し雰囲気をご紹介させていただきます。
 
今後もまた違ったさまざまな切り口から、インドネシアを中心に世界の音楽や芸能などに関するトーク・ライブショウを開催していきたいと思っております。
 
引き続き、ジベカをどうぞよろしくお願いいたします。(7/12 高円寺・SUBstoreにて)

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本来は竹のスリットドラムで演奏する曲を、今回は代用竹楽器(バリ島のティンクリック)で演奏。乾いた竹の音のリズムが躍動的でした!

 

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バリ島のガムラン・アンクルンで伝統音楽のほか「ミニマルミュージック」の演奏も

 

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参加者の皆さんとアンクルンの合奏。指導の時はついフランス語が出てきそうになる矢吹さん

 

110人でグンデル・ワヤン演奏!

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先週の金曜日、バリ島ギャニャール県の市制記念日(4/19)の催しとして、前倒しで子どもたちによるグンデル・ワヤン(影絵芝居ワヤン・クリの伴奏音楽)の演奏がありました。 

その数なんと110人!(普通は4人で演奏します)

昨年来日したブダ先生(Sanggar Suara Murti/Br.Babakan, Sukawati)の生徒たちによる演奏です。

クラシック音楽で考えると、4人で完結した音楽世界を築いている弦楽四重奏の編成を110人で演奏するということになるわけで、それについて「ああだこうだ」といろいろ思う人もいるかもしれません。しかし、とにかくこの大人数で実現させていること自体に驚きを感じ、スカワティ村ババカン地区の人々のワヤン(影絵芝居)の世界に対する並々ならぬ情熱の深さを思い知らされるのです。(飯田 茂樹)
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本番の様子。写真はFacebookより(2018.4.13)

 


以下、ブダ先生のグンデル・ワヤン(ガムラン)教室の練習風景です。(写真: 飯田)

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写真は少人数でのレッスンの様子。練習はいつも真剣勝負!

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大人数のレッスンは、先輩の生徒たちがアシスタントとしてお手伝い。鍵盤の反対側から叩くというスゴ技もさらっとやってしまう、恐るべしグンデル女子!


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ブダ先生のグンデル教室「サンガル・スアラ・ムルティ」
(Sanggar Suara Murti @Br.Babakan Sukawati)

ガムラン、義太夫、スティールパンなど、世界の音楽大集合!

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ガムランは「ゴングクビャール」


(子ども向け体験・鑑賞型イベント「ほくさい音楽博」、回向院@両国からのリポート/2018.02.18)

世界に愛された葛飾北斎の生誕の地、墨田区。この地で子どもたちが世界中の音楽・楽器にふれ歴史を学び、世界に好奇心を持って大きく羽ばたいてほしい。そのような思いを込めた、音楽体験・鑑賞型イベント「ほくさい音楽博」(第4回)が開催された。

事前の練習を重ね、子どもたちの発表会があったのは、バリガムランと舞踊、義太夫、スティールパン(体験コーナーも併せて行う)。そして当日参加やってみよう音楽体験として、サンバ、河内音頭、ウクレレ、手作り楽器など。それ以外にも家紋作り、相撲甚句、太神楽など。ただただこの豊富なラインナップとその内容に圧倒され感心してしまう。

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戦士の踊り、「バリスグデ」

みんな本番に強いね、よかったよ


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今日も要のゴング、ご苦労様!
んっ?バチが左右逆かな

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スティールドラムの演奏。原田さん、そのえちゃん、お久しぶりでした。こどもの城時代はありがとうございました


かつて私は東京・青山の「こどもの城(音楽事業部)」(3年前に閉館)という施設で、1980年代後半から世界の音楽を子どもたちに体験してもらう活動を行っていた。しかしそれは音楽事業部の一部だけの小規模な活動で(スタッフも4〜5名)、ジャンルも参加形態も多様なこの「ほくさいスタイル」は、子どもたちのニーズに充分に応えることの出来る規模と内容で、見事なアッパレです。このような催しの中でさまざまな音楽体験が出来る子どもたちは、超幸せだと思う。

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家紋作り体験を行う所が、伝統の下町と言うイメージ


子どもたちが参加するなら、そこには、親御さん、ご家族が集まるのは世の常。発表会の始まる前にはすでにステージの周りには人垣が幾重にもあり、見られるのか心配になったほどだ。この賑わいも音楽にはとても大切ですよね。

寒風の中、子どもたちのやる気熱気がいろんなコーナーで炸裂していた。この企画の継続発展を望みます。

主催のトッピングイースト代表、清宮さん、この次いろいろお話しを伺わせて下さい。どうぞ宜しくお願いします。(飯田茂樹)

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子ども義太夫、いい声出てましたね。もう大人気で見える所までたどり着けないかと思いましたよ


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サンバ衣装のお試しコーナー。なりきるための変身グッズはマストアイテム


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サンバ行進。ちょっと寒かったけど、頑張りました


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楽器作り体験では、2010年南アフリカW杯サッカーで有名になった「ブブゼラ」。音量音質作業過程文句なし!


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ガムラン体験タイム。ゴングはやっぱり大人気!


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私もガムラン体験のお手伝いをチョット


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「だれでもオープンマイク」飛び入りマイクパフォーマンスのこのコーナー大好きでした。子どもたち、親子、大人、みんないきいきしてました


東京下町に子どもガムラン隊!

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ガムランは演奏だけではなく、踊りと一緒がマストですよ

 

(ほくさい音楽博 出演1週間前のリハーサルからのリポート/2018.02.11)

東京のバリガムラン界で80年代から第一線で活躍してきた鳥居誠さんが、バリ島バトゥアン村出身のコマンさん(本名: ニョマン・スダルサナ)とガムラン初心者(ほとんど)の子ども達と一緒にガムラン活動をしていると聞き、墨田区のさくら橋コミュニティーセンター(児童館)を訪れた。

まず建物に入る前からガムランの音が聞こえ、ご近所的に大丈夫なのかと心配になった(日曜日朝9時半過ぎ)。しかし建物の中に入りその心配は払拭された。長く地元に根ざした活動をしてきた施設なんだなと、感心すると共にうらやましく思った。

小学校低学年(1〜3年)を中心に十数名の子どもたちが、ガムラン演奏と踊りに分かれ、数名の親御さんと共に、来週に迫った本番(ほくさい音楽博)に向けての最後の練習を行っていた。

子どもたちの年齢が低いから、なんでこんな事してるのかなと、ふわっと参加している子どももいれば、大人顔負けというか、伸びちぢみするグルーブ感にしっかり対応する子どももいる。いろんな子どもがおもいおもいに参加していて面白かった。

「ほくさい音楽博」(主催: 東京都、アーツカウンシル東京 他)では、ガムランをはじめ、サンバ、スティールパン、河内音頭、義太夫ほか多種の子どもたちの発表が行われ、子どもたちのためのワークショップ体験コーナーも充実している。

私も3年前まで約30年間、子どもと世界の民族音楽文化を近づける仕事をしてきたので、このような活動は単発的なイベントに終わらせないよう、継続的に続けられる体制が作られる事を切に望む。次世代を担う子どもたちは国の宝なのだから。(飯田茂樹)

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ゴング演奏は子どもたちの中では年長者、小学5年生のベテランさん。ガムラン音楽のかなめ楽器だとわかった上で、重いバチを疲れ知らずに操っていました

 

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バリス・グデ指導のコマンさん(正式名はニョマン・スダルサナ、中央)。私は留学時代、コマンさんのお父さまのカントールさんに、トペン(仮面舞踊)を教えて頂きました、ありがとうございました

 

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鳥居さんじきじきの衣装着付け。将来大物になるぞ(笑)

 

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また、一緒にガムりましょうと熱く話しました。その節は宜しくお願いします(右: 鳥居誠、左:飯田)

 

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ワークショップはやっぱり楽し!(ジャワのガムラン)

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インドネシア文化を紹介するインドネシア大使館主催「ルマ・ブダヤ」(Rumah Budaya:文化の家)の文化事業は今年も順風満帆なスタートを切る。

昨年の夏から始まった「ルマ・ブダヤ」。今年最初の活動(1/27㈯)は満を持してジャワ・ガムランのワークショップの登場!

指導は木村佳代さん(「ランバンサリ」ジャワ・ガムラン団体 代表)たった一人。小学生からご年配の方までの参加者16名のほとんどがガムラン未経験者。最初はたった3つの音だけしか使わない、比較的やさしくわかりやすい曲「モンガン」から入り、段々と難易度を上げていく。歌など要素も加え、楽しく飽きさせない進め方は流石だ。

最後は全員で大合奏。またみんなで再会する事を約束し、みんな満足の表情でお開きとなった。

今年は日本とインドネシア国交樹立60周年の節目の還暦年。よりいっそうの充実した文化事業を期待せずにはいられない。(飯田茂樹)

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参加者は数回のローテーションの中でいくつもの楽器に挑戦した


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木村佳代先生(右)、インドネシア大使館アリンダ教育文化部長(中央)、ルマ・ブダヤ事務局ティニさん(左)


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2時間のワークショップの後は、待ちに待ったランチタイム。今日はご飯と春雨にソトアヤム(チキンスープ)をかけた雑炊風。トッピングにはインドネシア風コロッケとえびせん。レモンとサンバル(辛いソース)を程よく入れるともうそれはインドネシアのワルンの味だ。ご飯付きワークショップなんて普通ありえませんよね。大満足!


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これはリカちゃん人形か?!
インドネシア各地の民族衣装をまとったかわいい人形たちを見つけてしまいました

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また一緒にやりましょうね!

初チレボンは想像を超えた未知の世界!

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(広いインドネシア、またまた初めて感覚の芸能に出会いました/飯田)

 

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昨年2017年12月、チレボン(西ジャワ)でモハマドの生誕祭「ムルダン」muludan (中部ジャワで言うスカテン)というお祭りがあるというので、バリ島のアグン山の噴火を回避しながら現地に入りました。

すみません、今回ご紹介するのはそのムルダンの翌日、チレボン郊外チレメイ山麓、クニンガンのリンガルジャティ村で行われた、スペクタクルショー(何と言ったらいいかわからない)の模様です。(ムルダンとは関係ないです、ムルダンファンの方ごめんなさい)

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音楽や踊り、歌や語りなど様々な芸能が合体する事はバリ島・中部ジャワなどではよくあります。バリ島ではガムラン音楽、舞踊、語り、ドラマなどの要素が合わさって「センドラタリ」芸術ドラマ舞踊(直訳)などと呼んだりしています。

ここでご紹介する約5分の動画には次の芸能要素が同時進行で行われていました。

①伝統仮面舞踊
②2人の少女のトランス
③西ジャワのガムラン
④オカマの道化
⑤ガラス踏み(黒布の上の黄緑色がガラス)
⑥コブラ(本物の動物と偽物がいた)
⑦獅子舞(中国の大陸系)
⑧龍の舞
カチレボナン王宮のガムラン音楽監督のヘリーさんと、仮面舞踊家のイブ・ニナさんと仲間で作ったスペクタクル)

何と言いますか、バリ島にも中部ジャワにもない、ゴチャ混ぜてんこ盛りのカオスな世界でした。

中華系の文化が自然と融合していたり、オカマさんがやたら元気だったり、チレボン文化の特徴が出ているのだなぁ、と思いました。

5分近くありますが、1度見てみて下さい。

このような芸能にお詳しい方、ぜひコメントをお聞かせ下さい。

画面の中には色々なものが写り込んでいます。見るたびに新しい気付きがあります。

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ちなみにオカマさんは10名くらいいましたが、普段はみな普通の(男)だそうです。本当かなぁ

 

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イブ・ニナさん(左)と、トランスの子どもたち

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ガムラン演奏は若い男性中心。クンダン(太鼓)は何とキティシールが目一杯貼りまくられていました。相当な人気があるんだろうな
 
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海に近いので、新鮮な魚介類が豊富!お昼に美味しく頂きました。ありがとうございました

 
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写真1枚目:カチレボナン王宮のガムラン音楽監督のヘリーさん(右)と飯田(左、ジベカ代表) 写真2枚目:仮面舞踊家のイブ・ニナさん(右)

 

文・写真・ビデオ:飯田茂樹

ティンクリック大改造!

青銅製のガムランとはまたちがい、心地良く温もりのある響きにより多くのファンを持つ竹のガムラン「ティンクリック」tingklik (ジョゲット・ブンブン)。

1983年製、彫刻が施された「ティンクリック」の台(固定式)を、折りたたみ式に改造。これで何処でも簡単に持ち運びが出来るようになりました!(飯田茂樹)
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①改造前

 

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②前板と横板を固定していた竹のくさびを抜く(釘はいっさい使っていない)

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③竹の鍵盤もはずし、全てをバラバラに

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④前板と横板を蝶つがいで接続

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⑤こんなにコンパクトにまとまりました

ガムラン調律は大変で楽しい!

長い間ガムラン楽器を使っていると、鍵盤にひびが入ったり、共鳴管が割れたり。鍵盤の吊りひもがゆるんだり切れたりは日常茶飯事。

 

青銅金属の割れやひび以外は、演奏者自らがメンテナンスを行えるのがベスト。楽器の構造、音の出る仕組みをしっかりわかっていることは演奏の内容にも関係してくるのでは。

 

高めに調律(プギスップ)されている鍵盤の1枚が異常に高くくるってしまったので、久し振りにグラインダー工具を使っての調律作業!

 

1983年留学時代からバリ島ブラバトゥ村のガムラン職人、イ・マデ・リンディさんに何度と調律の理論と技術を教えて頂きました。この日も楽しく作業出来ました、リンディさんありがとうございます。(飯田)

 

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沢山削らなくてはならない時は、工具を使います。削った直後は金属が熱くなっているので、しっかり冷やしてから音を確認します。音のズレが少ないときは、金属用やすりを加工して作った工具で、鍵盤をゴシゴシ手作業で削ります。

 

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プグンバン(基本になる音で低めの音に調律されている楽器、左の楽器)とプギスップ(高めに調律されている楽器、右)の音の高さをどれくらいずらすかにより、「うなり」の速さが決まります。

 

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「うなり」の速さを全鍵盤において一定にするのがなかなかむずかしい!個人的には比較的ゆっくりな「うなり」が好きですが、時代と共に早くなっていいるのかな。

 

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グンデル・ワヤン演奏の木彫り人形

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こちらはバリ島からの木彫り。モーチーフはグンデル・ワヤンというガムランを演奏している男女です。とっても素敵ですね!作者はなんと、マス村のルミカ氏!(自称(?!)NPOジベカバリ島支局長)

ルミカ氏は、ガムラン演奏家・指導者としてジベカでもたびたびご紹介していますが、木彫りで有名なマス村出身の彼は、実は木彫り職人としてもかなりの腕前なのです。
 
ルミカ氏自身もグンデル・ワヤンを演奏し、よくグンデルのことはわかっていますので、ディテールまでかなりリアルに表現されていています。ですからマニアも納得の仕上がりですね。
 
グンデル・ワヤンの演奏家が作ったグンデル・ワヤンの演奏木彫り人形なんて、なかなかお目にかかることはないのでは?そのようなわけで、ご紹介させていただきました。(飯田)

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1つ1つ丁寧に手で彫って作られた人形からは、温かいぬくもりと作者の思いが感じられます

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実物のグンデル・ワヤンと木彫りのグンデル・ワヤン

これらの木彫りは私の生徒でもある田村さん(右、バリ・ユナイテッド(バリ島のサッカーチーム)の熱烈ファン(?!))のものです)

 

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楽器屋台(インドネシア版)初登場!

11月初旬、東京・港区内の保育園にて「楽器屋台」が出張オープン!

 

インドネシア版ということで、インドネシアの楽器や音の出るおもちゃを中心に子どもたちにさわってもらいました。

 

「楽器屋台」は音楽・民族楽器を遊び感覚の中で楽しみながら体験出来るプログラム。

 

今回はオモシロ楽器の生演奏による絵本の読み聞かせ「絵本屋台」も行いました。当日の様子を写真と動画でお伝えします。

 

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保育園の一番小さいクラス(0~2歳)。初めて聞く音にキョトンとしながらも興味津々。

 

ダイジェスト動画:ガムラン(インドネシア)→パンデイロ(ブラジル)→スプーン(フランス=ベトナム)→アンクルン(インドネシア)

演奏:タッチャン、イーチャン、ミズチャン

 

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いろいろな音や(変な)おじさんのパフォーマンスに抜群の反応をしてくれた3歳クラス

 

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いろんな音を出していっぱい遊びました。時間がいくらあっても足りないな。

 

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インドネシア・バリ島の民族楽器ガムラン(1枚目)とジャワ島の竹の楽器アンクルン(2枚目)

 

動画:子どもたちの自発的・能動的、面白民族楽器体験プログラム「楽器屋台」の中には、面白楽器の生演奏による絵本の読み聞かせ「絵本屋台」もあります。

 

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手作り楽器「エコーマイク」(エコーがばねによって自動的におきる)で読み聞かせ。(4・5・6歳クラス)

 

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糸電話とエコーマイクを合体させた「エコーばね電話」

 

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インドネシア製はどれかな?どんな音が出るかわかるかな??

 

バリ島イベント・レポート! @ららぽーと

先週末は、ららぽーとTOKYO-BAY(千葉県船橋市)「南国リゾートフェスティバル ゛魅惑のバリ ステージ″」にて、ガムラン演奏、ワークショップをJIBECAが担当させていただきました。

 

外は台風接近のため荒れ模様でしたが、屋内はガムラン音楽が鳴り響き、まるでバリ(?!)。その様子を少し写真でご紹介させていただきます。ご来場、ご参加くださった皆さま、ありがとうございました。

 

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バリ舞踊で華やかにイベントがスタート!(1枚目:歓迎の踊り「ガボール」、2枚目:「レゴン・ラッサム」より女官チョンドン)

 

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グンデル・ワヤン(バリ島の影絵芝居や宗教儀式のガムラン音楽)演奏

 

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観客参加型のジョゲッ・ブンブン(竹のガムラン演奏で踊るバリ島の大衆芸能)。今回は子ども達も含め多くの方々が踊りに参加してくれ、会場は大変盛り上がりました。

 

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最後はガムラン(ゴング・アンクルン)体験ワークショップ。子供たちは初めてのガムランに興味津々。ららぽーとでの買い物ついでのガムラン体験は、この夏最後の思い出になったかな。(指導:飯田茂樹)

 

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バリ舞踊のBasundhariとJIBECA。ありがとうございました!

デワ・ライさん、デドさんとガムラン交流会

ガムラン演奏家(作曲家・舞踊家)デワ・ライ氏、デド氏(両者とも芸能集団スダマニ/バリ島ウブド)の来日に合わせ、ジベカ主催で交流会を開きました。

 

最初のデド氏のバロン・ダンスの実演だけでも充分(?)なスペシャルな時間でしたが、その後実際にガムラン(ゴング・アンクルン)をデワ・ライ氏とデド氏から教わるという貴重な機会に、皆さん時間を忘れて没頭の様子。

 

「考えるな、感じろ」なんてブルース・リー的なガムラン体験。しかしこれぞ『バリ・ガムラン』ではないでしょうか。最後は「コテカン」(ペアでメロディとリズムが入れ子になる演奏技法)も加わり、あざやかなガムランの響きで部屋中いっぱいに満たされました。

 

ガムラン初心者も経験者も一緒に、ここに集まった皆さんで作り上げることができた素晴らしい瞬間だったと思います。ご参加ありがとうございました。

 

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「パングル(バチ)は手首を柔らかく持ちましょう~」
ガムラン(gamelan)の語源「ガムル(gamel)」の意味は「叩く」ではなく、「掴む」を強調していたのが大変印象的。一瞬会場がざわめきました。デワ・ライさんによるガムランのお話しは大変興味深いものでした。

 

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デドさんによるバロンのレクチャー&実演タイム。今回バロン・ダンスは頭だけを使い、通常バロンの胴体で隠れている踊り手が 直に見える状態で踊っていただいたので、まさにデドさんがバロンと一体となっている様子がよくわかりました。

バロン・ダンス実演後は「かっこいい~」という声があちこちから。

 

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指導しているうちにどんどんノリノリになるデワ・ライさん。バリのスニマン(芸術家)ここにあり、です。最後まで全力で教えてくれました。

 

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「自分はバロンの分も食べないといけない」日本食が大好きなお茶目なガテン系?デドさん。ただし刺身だけはチョバチョバ(少しずつ試している状態)とのこと。
会の最後は恒例(?)お決まりのアグムルチュー(バリダンスのオモシロポーズ)で記念写真。

 


この日の昼間は元気な小学生(1~3年生、44人)を相手にガムラン交流会でした。子供たちはガムラン初体験!初めはドキドキの様子で楽器に触れていましたが、次第に大胆に…!「叩いて止める」というガムラン特有の演奏方法もマスターしました。

 

お二人とも毎日忙しくお疲れだったはずなのに、たくさんの日本の子供たちにガムランを紹介できたことが嬉しかったようで、子供たちに向けるやさしい笑顔が印象的でした。

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オマケ:慌ただしい滞在でしたが日本を満喫して無事帰国されました。改めて、本場はスゴイ!カッコイイ!!デワ・ライさん、デドさん、ありがとうございました。

Terima kasih banyak bpk Dewa Rai, bpk Dedo...! Suksma.

江の島バリ・サンセットで「楽器屋台」

ルミカ氏(バリ島マス村)作のジベカ看板を掲げて「楽器屋台」オープン!
ルミカ氏(バリ島マス村)作のジベカ看板を掲げて「楽器屋台」オープン!

先週(8/19,20)行われた第12回江の島バリ・サンセットの様子を写真で少しご紹介。ジベカの「楽器屋台」初出店しました。楽器屋台では、たくさんの人たちにインドネシアの民族楽器を楽しんでいただきました。ご参加ありがとうございました。

 

当日の様子はジベカのFacebookも合わせてごらんください。動画もぜひお楽しみください!

https://www.facebook.com/jibeca2016

 

●1日目

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●2日目

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【バリ島発信!】第12回「江の島バリSUNSET (2017/8/19・20)に来日する「スダマニ」グループのデワ・ライさんとデドさんに会いました

来月8月の来日公演でバロンダンス(バリ島の獅子舞)のガムラン音楽を担当するデワ・ライさんは、古典からコンテンポラリーなガムランまでオールマイティにこなし、国内外から圧倒的な支持を得ているウブド(プゴセカン)のガムラン・グループ「スダマニ(Cudamani)」の中心的演奏家です。デドさんはバロンダンスの聖地、バドゥブラン出身の若手筆頭のバロンダンサー。

この2人のガムラン音楽とバロンダンスの絶妙なかけ引きと絡み合いが今から楽しみだ。(飯田茂樹)

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デワ・ライ氏が指導しているプゴセカン村の少女ガムラン。女性のガムランでこんなに精度の高い演奏を聞いたのは(正直な話)初めてだ。

 

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同じくデワ・ライさんが指導する、プゴセカン村の青年ガムラン。次世代の育成活動に労を惜しまないその姿にあっぱれい!

 

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8月の猛暑を恐れているデワ・ライさん。来日楽しみにしています。

 

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バロンダンスの頭と前足担当のデドさん(左)、後ろ足担当のデワ・コピさん(右)。

 

【バリ島発信!】これがうわさの子どもグンデル・ワヤン教室だ!その2(日曜日2日目)

小学校低学年から中学生の子どもたち約70名が4クラスに分かれ、毎週土曜と日曜の各1時間、影絵芝居「ワヤン・クリ」の伴奏音楽「グンデル・ワヤン」というガムラン音楽を学びにやってくる。

グンデル・ワヤンは歴史が古く、ご年配や玄人好みの音楽といった趣があり、大衆的に多くの人に嗜まれるようなものではかつてなかった。それがどうだろう、スカワティ近隣だけではなく遠くは15キロ以上離れたウブドゥ、バトゥブラン、ブラバトゥといった所から、多くの子どもたちが親御さんに連れられてやってくるのだ。30数年前、私がグンデル・ワヤンを学び始めた当時には全く考えられない現象だ。

子どもたちの人気のお稽古事となっている背景には、バリ州政府の後押しや、指導者ブダ氏の並々ならぬ努力が不可欠だったはずだ。あと近隣バドゥン県やデンパサール県へのライバル意識もね。

指導者のブダ氏は、いつも冷静におちついて指導するように心がけていると言っていた。

これからのさらなる活躍をお祈りしたい。

(飯田茂樹/ギアニャール県スカワティ村からのレポート)

 

本来グンデル・ワヤンは4台1セット。それがなんと7セット28台が1つの場所にあること事態がかなりの異常(笑)。習い始めて約1年の子ども達の手首は、もう立派なグンデル弾きの手となっていた。

 

3人のお姉さんたちの熱血指導。子どもが子どもに教えるいい光景ですよね。お姉さんたちは指導の責任やプライドを持つことになるし、習う側も早く指導者側になりたいから頑張るとか。双方にとっていいですよね。それにしてもお姉さんたちは両手で楽器の反対側から叩いてる、これってかなり高い技術なんですけど、アッパレ!

 

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4人以上でグンデルを演奏した事がないので、私も参加させてもらいました。思いのほかみんなで演奏するのは楽しかったです。とにかく音がカオスなので、自分の音がなかなか聞こえてこないんですが(笑)。

【バリ島発信!】JIBECAバリ島ガムラン体験ツアーはじまる⁈

ガムラン体験ツアーは、なんと初日からクンダン(太鼓)。そしてなんとワドン太鼓、ラナン太鼓の入れこになって絡み合うリズムの真髄の領域にまで足を踏み込んでしまった。

指導は、ガムラングループ「スマララティ(Semara Ratih)」元メンバーのイ・ワヤン・ルミカ氏。(JIBECAバリ島支部長⁉︎)優しくかつ熱血指導のレッスンは明日も続くのだ。

しつこいほどに何度も写真に登場する、JIBECAのロゴ看板はルミカ氏自身のオリジナル作品!感謝!!

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表と裏のリズムがきれいに絡み合うと気持ちいいんですよね。これぞガムランの醍醐味!手の生皮をむいてまでの気持ちの入った練習、これまた熱血生徒さんでもありました。

 
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初めてのガムラン太鼓体験のススムさん。楽しんで頂けたみたいでよかったです。頑張りました!ところでインドネシア語でSUSUMUってちょとエッチ?はずかしい⁉︎

 
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演奏指導もJIBECAロゴ看板もきまっているだろ!とルミカ氏。かわいい看板超いい出来ですよね。

 
(飯田茂樹/ギャニャール県マス村より)
 
ルミカ氏作の木彫りのジベカ看板!
ルミカ氏作の木彫りのジベカ看板!

【バリ島発信!】これがガムラン界うわさの子どもグンデル・ワヤン教室だ!

ここにいるのは、小学校低学年から中学生の子どもたち21名。毎週土曜と日曜の各1時間、影絵芝居「ワヤン・クリ」の伴奏音楽「グンデル・ワヤン」というガムラン音楽を学びにやってくる。指導は今年すでに2度の来日をして、2月には私が代表をつとめる当法人、ジベカ主催のワークショップコンサートを行って頂いたブダ氏。

 

普通4人4台で演奏するグンデル・ワヤンという楽器が20数台もあり、それを子どもたちだけで演奏していることの異常さ(笑)。お世辞にも心地よい響きとは言えないカオスな音空間であったが、もうその存在ありようだけで圧倒されてしまった。

 

「小さな時からグンデル・ワヤンと関わり、ワヤンの世界と共に成長し生きてきた。それを自分の世代で衰退させてはいけないという思いからこの『スアラ・ムルティ(Suara Murti)』という教室を開いた」と、ブダ氏は熱く語ってくれた。

(昨年のブダ氏インタビューの様子はこちら)

 

私も34年前の留学時代から今現在まで、本当にお世話になっている音楽・楽器、グンデル・ワヤン。

スカワティ村に後継者問題はなさそうだ!

 

とにかくこの人数、音量に圧倒されました、こんな光景見たことない。

 

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ブダ氏はもともと強面(笑)ということも影響あるのか、緊張感のある真剣勝負の1時間レッスンだった。

 

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こんな風に熱血指導されたら、やるっきゃない!

 

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一日の長のお姉さん3人も指導にあたっていました。この2人はあまり年齢差なさそう。

 

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あっという間の1時間のレッスンでした、頑張れガンバレ!明日は差し入れのお菓子を持っていきます。

(飯田茂樹/インドネシア・バリ島・ギアニャール県スカワティ村からのレポート)

【バリ島発信!】影絵芝居とその音楽は、確実に次世代に受け継がれている!

ギアニャール県スカワティ村のババガン地区(br.Babakan Sukawati Gianyar)は、狭い範囲にダラン(人形使い・語り部)とグンデル・ワヤン(影絵の伴奏音楽)の演奏家が密集して住んでいる特別な地域です。子どもたちは小さい頃からその伝統芸能にふれ、深く興味を持つ子ども、才能を持つ子どもは小さい頃から頭角を現わし、大人顔負けのパフォーマンスを披露します。

(飯田茂樹、バリ島スカワティ村からのリポート)


只今開催中のバリ芸術祭(Pesta Kesenian Bali 通称:PKB ペーカーベー)のグンデル・ワヤン コンテスト(6月17・18日)に参加するギアニャール県代表、バトゥヤン村の子ども達。楽曲はこのグループを率いるスバンディ氏(I Made Subandi)の新曲「水のうねり」。グンデル・ワヤンという楽器のもつ表現力の限界に挑んだこの力作に、子どもたちは堂々と応え弾きこなしていた。

 

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本番間近で練習に熱が入る。課題曲「スレンドロ」「アラサルム」「プグサハン」「新創作曲」の4曲はどれも大曲。そしてグループ指導者スバンディ氏は、なんと4月中旬よりアメリカ出張中!そのためな、な、なんと6/17の本番には立ち会えず、仕上げの指導をスカワティのブダ氏丸投げ状態(笑)。経験豊富なブダ氏、指導者層の厚いギャニャール県だから成し得る超離れ技だ。
ちなみに私は、このギャニャール代表は優勝を勝ち取ると確信している。

(写真:演奏する子供たちと指導中のブダ氏)

 

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ブダ氏の次女センディさん(高3)のダランによるワヤン練習風景。演奏者は小学校低学年から高校生の子どもたち。

 

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ダラン指導の様子。センディさんの後ろから手加減なしの熱血指導。ジュアンダ氏(左)は、ブダ氏の兄、センディさんの伯父さんに当たる。思いっきり大声で歌う口元がよく似ていますよね(笑)。

 

 

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【バリ島発信!】シダン村、アンクルンの演奏家 ジャポさん(73歳)に再会!

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ジャポさんは、以前と変わらずお元気で沢山の楽曲を披露してくれました。きちっとしていて長年叩き込んできた味わいのある演奏です。

 

2人で演奏するならと、近所の仲間から楽器を借りて来てくれました。鉄製鍵盤でしたが叩き込まれていて心地よい音でした。気張らずゆっくり確実に、根気よくいろいろ教えていただきました。ちなみに先が丸いバチ(グンデル・ワヤンの楽器用)を使うのが正式。

 

前回の訪問の様子はこちら

 

前回訪問した際は、ジャポさんは20名近い楽団の中で演奏されていて、個人的にどのような演奏をする方なのかまではわかりませんでした。お年を感じさせないしっかりとしたバチさばきで、味わい深い演奏でした。昼間は農作業をするガムラン演奏家は現在少なくなってきました。73歳超アッパレ!

 

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鍵盤と竹の共鳴管はクルンクン県のティエガン村製。木枠は地元で安く作ったという年季の入ったジャポさんの楽器。ペアのもう1台はデンパサールに住む息子さんが持って行ってしまったんだと。

 

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ジャポさんに初めて会ったシダン村の田園。バリ島の原風景の1つともいえるロケーションではないでしょうか。

 

(飯田茂樹、ギアニャール県シダン村にて)

 

ムジカーザでガムラン大盛況のうち無事終了!

インドネシア・ジャワ芸能の「おもちゃ箱」のようなイベントが2年振りにパワフルに復活!

 

今回雇われワルン店長として参加しましたが、これでもかこれでもかといった充実した演目に舌を巻き、お店をほったらしにかぶりつきで目が釘付け!

 

見逃したご貴兄にご朗報!来年も開催予定とか。(飯田茂樹)


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グループ「ハナジョス」のリーダー、ローフィットさんは何役こなしていましたか?みんなで数えましょう。(ローフィットさん1つ目)

 

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ワヤン(影絵芝居)のダラン(影絵つかい)も。(ローフィットさん2つ目)

 

影絵を操る側と映しだされた影側の両方が見られるように、2演目のワヤンを上演してくれました。

 

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ジョグジャカルタの歓迎の踊り。ここには踊り子さんの影に隠れてローフィットさんは見えませんが、ガムランのリーダー、クンダン(太鼓)の演奏をしていました。(3つ目) 

 

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こちらはナナンさん、クールに演奏で全体を支えてくれました。

 

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こちらは8頭身モデルさんかと思いきや、NPOジベカの旗揚げ公演でも演奏をしていただいた、スミヤントさん。涼しい顔をしてあんなあおるような激しいクンプールの演奏、聞いたことありませんから。

 

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顔は見えませんが、バロンガンという虎の獅子舞?の前足と語りをしていたのもローフィットさん。(4つ目、凄いですよね)ちなみに後ろ足はスミヤントさん。

 

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大入り大盛況でしたね。飲み食べしながらの観劇はリラックス雰囲気でいい。子どもたちも色んな所を見ようと歩き回っていました。

 

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ジャワの芸能・雰囲気を満喫しました、ありがとうございました。

左から中村伸(当公演の実行委員)、西岡美緒、西田有里、アナント・ウィチャクソノ(ナナン)、根津亜矢子、スミヤント、ローフィット・イブラヒム、佐々木宏実、岩本象一(敬称略)

 

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雇われワルン店長のお店
ステージとワルンで鳥笛のさえずり共演をさせてもらいました。おかげで一番の売り上げは鳥笛でした。まいどありー。

↓オマケ:店そっちのけでワヤン(影絵芝居)にくぎ付けのイイダの図

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↓オマケ2:朝イチで会場入りして勝手にお先に「ムジカーザでガムラン」の図 ※自由過ぎてスミマセン(ジベカ・スタッフより)
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ガムラン・ワークショップ報告!@スターライズタワー

参加者、出演者、スタッフ全員で記念撮影
参加者、出演者、スタッフ全員で記念撮影
第3回NPO法人日本インドネシア・バリ教育文化協会(通称JIBECA=ジベカ)自主公演「バリ島のガムラン『ゴング・クビヤール』のワークショップ・コンサート」(2017.2.24 スターライズタワー5F Studio Jupiter)公演にご来場頂きまして本当にありがとうございました。

2月20日の「バリ島のワヤン(影絵芝居)〜上演と解説〜」公演に引き続きバリ島のガムラン界において第一線で活躍されている4名のアーティスト、ラヌス氏、ブダ氏、チャプン氏、そしてライ氏を迎え、バリ島で1番ポピュラーなガムラン楽器、ゴング・クビヤールのワークショップを行えたことを大変に嬉しく思っています。

この日の主役は、バリ島でゴング・クビヤールの音楽を中心に演奏、作曲、指導活動をされているイ・クトゥットゥ・ラヌス氏。ゴング・クビヤールの歴史的な背景から、ガムラン音楽の構造についての実演解説、個別の楽器紹介、ガムラン経験度合いの異なった参加者への配慮などなど、本当に心の行き届いた温かみのあるワークショップ指導をして頂きました。この日はサポートにまわり、個別の楽器を熱心に指導して頂いた3名のスーパーアシスタントの存在も忘れてはいけませんね。本当にみなさんありがとうございました。

NPOジベカが、自主公演としてこのような稀有なワークショップの運営に関われたことを嬉しく思います。

どうかこれからもNPOジベカの活動を見守って頂き、暖かなサポートをどうぞ宜しくお願い致します。
(代表飯田)

以下飯田より、写真と合わせてワークショップの様子をご紹介します。

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この日の主役はラヌス氏(左)、超豪華なバリ人演奏家を従え、演奏、解説、指導と大活躍でした。ブダ氏(中央)、ライ氏(右手前)
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ラヌス氏(右)の解説は本当にわかりやすく、丁寧で気持ちがこもっていましたね。ガムランに対する深い愛情を感じました
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トペン・クラス(気性の荒い大臣の仮面)を踊っているのは、2/20ワヤン公演でダラン(影絵使い)を演じたカデ・チャプン氏
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カデ・チャプン氏のトペン(仮面)は「フッ」と動く瞬間、本当に生きているかのように思えます。お二人ともサービス精神満載のワークショップ、本当にありがとうございました
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ワークショップで使うゴング・クビヤールという楽器は全体でどのようなサウンドを出すのか、「チェンドラワシ」を演奏して頂きました。TRIFLING PROJECT出演者の皆さんありがとうございました
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ラヌス氏の解説と進行は、殆ど打ち合わせどおりに進みましたね(笑)、凄い!本当に!ありがとうございました、打ち合わせをして良かったです(笑)
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「できる」「覚えられる」ところを頭から少しづつ増やしていくという、基本的な指導を辛抱強くしていました。カタツムリの歩みのごとく近道はないんですよね

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ライ氏はやはりクンダン(太鼓)が好きなんですね、いつかライさんの得意なジャンルの音楽のワークショップを一緒にやらせて下さい
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ワークショップ参加者の皆さん、大変熱心に演奏して頂きました、ありがとうございました
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な、なんとマンツーマンレッスン!
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楽器全体が演奏され響いている中で、個別のパートの演奏スキルを深めていく。これはバリ島と同じ練習の仕方ですよね。4人のバリ人指導者もいてなんと贅沢な瞬間でしょうか!もっとずっとやりたかったですね
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ワークショップのとりは、講師たちの見本演奏で、なんとブダ氏(中央奥座奏)の新作の曲「グンデル・ファンタスティック」、お得感満載のワークショップでした。手前左にある2台の楽器はグンデル・ワヤンのジェゴガン(低音楽器)か?初めて見ました
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皆さん本当にお疲れさまでした。改めて右からチャプン氏、ブダ氏、ラヌス氏、ライ氏。本当にありがとうございました
写真:松田修一

ガムラン・ワークショップ(2/24)講師紹介!

いよいよ迫ってまいりました。来週にはバリ島から続々とアーティストたちが来日します。寒い寒い2月の東京を きっとホットに温めてくれることでしょう!

 

ジベカ主催公演として、2月20日(月)に「バリ島のワヤン(影絵芝居)~上演と解説~」、2月24日(金)に「バリ島のガムラン~ワークショップ~」が開催予定です。

 

それでは、ワークショップのスペシャルな4人の講師を紹介します!

 

ジベカ代表飯田は、先日のバリ島滞在中にワークショップの打ち合わせをしてきました
ジベカ代表飯田は、先日のバリ島滞在中にワークショップの打ち合わせをしてきました

○ラヌス (I Ketut Lanus)
1970年生まれ 46歳
一見したところ、温厚なバリ人のおじさん。のんびりした話口調から、その優しい人柄がにじみ出る。

 

しかしひとたび太鼓をたたき始めると、彼は只者ではないオーラを発し、その場の空気を一変させる。その温厚で人情深く男気ある彼の、内に秘めたる音楽に対する情熱は計り知れない。

 

バリでは楽団Sanggar Cahya Art(サンガル・チャハヤ・アート)を率い、後進の指導にも惜しまぬ情熱を注ぎつつ、自身の作曲、演奏活動を精力的に行う。

 

バリの多くの音楽家に彼のことを尋ねても「凄いやつだ」と最上級のほめ言葉をおしまない。

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○ライ (I Made Widana)
1977年生まれ 39歳
クンダン(バリ島の太鼓)の名手としてその名を広め、各地の公演に引っ張りだこのライ氏。クンダンはガムラン演奏の中でリーダーとして演奏指揮をとる重要なポジション。来日する4人の中では最年少だが、今後のバリ・ガムランを牽引していく一人であることは間違いない。

 

写真はライ氏(中央)の芸術大学の卒業制作のひとコマ。演奏には今回のワークショップで同じく講師をつとめるブダ氏(中央右)、チャプン氏(前方右)も参加。ブダ氏が作曲し曲を提供 @ISI Denpasar 2012.5

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○ブダ (I Ketut Buda Astra)
1969年生まれ 47歳

 

○カデ・チャプン (I Kadek Budi Setiawan) 
1974年生まれ 43歳

 

(両氏は、すでにワヤン(2/20)の出演者としてご紹介済みですが(こちらをクリック)人気・実力ともにトップクラスのお二人が、ガムラン・ワークショップでは講師として参加します!)

 

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ワヤン本番前のブダ氏。ワヤン・バテルではクンダンを担当。演奏リーダーとして物語の進行やダラン(影絵つかい)に合わせて即興的に演奏していく。

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チャプン氏のオダラン(寺院の創立祭)での奉納舞踊(演劇)。バリ島のあちこちのオダランに呼ばれる売れっ子舞踊家でもある。

【バリ島便り⑤】シダン村のゴング・アンクルン

バリ島にはさまざまな種類のガムランがありますが、こちらのゴング・アンクルンというガムランは、バリでは昔から葬式や儀式で演奏されるガムランで、観光客の目にはあまり触れることはないかもしれません。全体的に楽器のサイズが小さめで軽いので、祭りの行列では楽器を肩から掛けたりして運びながら演奏することもあります。

今回訪れたシダン村は、バリ島ギャニャール県の東部に位置する村で、古来よりゴング・アンクルンの盛んな村として知られています。私は幸運にもシダン村のお葬式に参列する機会を得、ゴング・アンクルンが儀式の中で実際に演奏される様子を見させていただきました。

写真は総勢18名のプリ(王宮)帰属のゴング・アンクルングループ、「シダン・ウィジャ・クスマ」のみなさん。コテカンとは違うンゴナンスタイルの優しく柔らかい音の演奏でした。

※コテカン:ポロス(表のリズム)とサンシ(裏のリズム)という入れこになって絡み合うメロディーとリズム
※ンゴナンスタイル:ハーモニーを重視した音を重ねる演奏法
プマデ(大きめの鍵盤楽器で旋律を奏でる中心的な役割)の4名がグンデル・ワヤンのバチで柔らかい音を出していました
プマデ(大きめの鍵盤楽器で旋律を奏でる中心的な役割)の4名がグンデル・ワヤンのバチで柔らかい音を出していました
不謹慎を承知で発言させて頂くと、こんなに音楽的に楽しいお葬式は初めてでした。先週80歳を越え大往生されたおばあさま、本日は参列させて頂きまして本当にありがとうございました。
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シダン村は美しい田園風景が広がっています
シダン村は美しい田園風景が広がっています
すべてのはじまりは、シダン村の田んぼでの出会いからでした。

肥料をまいていたおじいさんに声をかけたところ、このおじいさんがゴング・アンクルン演奏グループ「シダン・ウィジャ・クスマ」の中心的な演奏家だったのでした。

多くのガムラン演奏家の生業が農民ってことをまざまざと教えられた瞬間でもありました。
運命的出会いに感謝…。(飯田)
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プリ(王宮)に大切に保管されているゴング・アンクルン
プリ(王宮)に大切に保管されているゴング・アンクルン
田んぼで出会った、ゴング・アンクルンのグループでは長老格の1人、今年74歳になるイ・ワヤン・ジャポさんと
田んぼで出会った、ゴング・アンクルンのグループでは長老格の1人、今年74歳になるイ・ワヤン・ジャポさんと

【バリ島便り④】ガムラン工房を訪問(リンディさんとの再会)

ガムラン工房(ギャニャール県ブラバトゥ)
ガムラン工房(ギャニャール県ブラバトゥ)

バリ歴のお正月「ガルンガン」になるといつも「ケンケンカバレー?、スガールバユネー」とおどけた新年のご挨拶の電話をかけてくれる、パンデーというガムラン楽器職人の家系に生まれたイ・マデ・リンディさん(写真下)。

 

最近連絡がないので心配していたら、やはり病気を患い、少々歩行は大変そうだったが、おしゃべりは昔のまま元気。宮城教育大学のゴング・クビャールやこどもの城の楽器の調律のためにわざわざ来日してもらった時、桜がきれいだった思い出話しにしばし花を咲かせました。

この大きな手は温かく柔らかい。しかし一旦作業が始まると手はペンチなどの道具と化し、金属、木、皮などの素材を軽々と加工していく(ガムラン楽器職人 リンディ氏)
この大きな手は温かく柔らかい。しかし一旦作業が始まると手はペンチなどの道具と化し、金属、木、皮などの素材を軽々と加工していく(ガムラン楽器職人 リンディ氏)
皆さんの周りにある殆どのバリガムランの楽器は、こちらのリンディさんの手が何らか加わって出来た楽器ばかりだと思います。楽器の素性を確認出来る方は是非チェックしてみて下さい。そこには新たな秘密が隠されているかもしれませんよ。
ガムランの鍵盤を加工中
ガムランの鍵盤を加工中
プラスチック製の鍵盤釣り紐を作る少年
プラスチック製の鍵盤釣り紐を作る少年
リンディさんの長男イ・ワヤン・スパルタ氏と
リンディさんの長男イ・ワヤン・スパルタ氏と
昔から良く知っていた息子さんは立派に成長し、完全にリンディ氏の仕事を受け継いでいるように見えました。
これから新たな息子さんさんの時代に突入!いい楽器を沢山作って下さい。これからも宜しくお願いします。(飯田)
バリのご馳走「バビクリン」をいただきました
バリのご馳走「バビクリン」をいただきました

【バリ島便り③】ワヤン・バテルの練習を見学

ダラン(影絵つかい)は若干11歳!
ダラン(影絵つかい)は若干11歳!

バリ島のワヤン(影絵芝居)の盛んな地域、スカワティ村の子どもたちによるワヤン練習風景です。ラーマヤナ物語のワヤンの伴奏楽器は、グンデル・ワヤンだけでなく、太鼓やゴングなどが加わり大変にぎやかで豪華な編成です。ワヤン・バテルと呼ばれます。

 

「ワヤン・バテル(ラマヤナ)を見学!演奏者は小2から高2の子どもたち、やたらにうまい。指導のジュアンダ&ブダ兄弟の情熱に「超あっぱれ」!!!
私は約30年余、子どもたちに民族音楽を体験させる、教える仕事をしていて、こういうシーンに遭遇すると泣けてくるんですよ。スカワティのワヤン界の未来は明るい!
ダラン(影絵使い)の少年は若干の11歳。ダランの勉強を本格的に始めて約3年、以前にも増して迫力の発声、人形の扱いだった。将来にも期待!」飯田
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昨年のものになりますが、子どもたちのワヤン練習の様子を少し映像でご紹介します。すでに大人顔負けの演奏、演技に驚かれるのではないでしょうか。今、子どもたちは本番を重ね、さらにパワーアップしています。よき指導者、環境に恵まれ、本当に子どもたちの可能性は未知数ですね。

こども ガムラン・ワークショップ

竹のアンクルンを演奏してみよう
竹のアンクルンを演奏してみよう
先日行われたバリ島のガムラン他民族楽器の子ども向けワークショップの様子です。(主催:NPO法人ありんこクラブ)

さまざまな年代の小学生たちがそれぞれに興味を持って、とても積極的に参加してくれました。

「雪のちらつく鶴ヶ島市(埼玉県)で、元気な子供たちとインドネシア・バリ島を中心とした民族楽器で遊びました。酉年だけあって、鳥笛は人気だったなぁ」飯田
怪しいおじさん二人組参上
怪しいおじさん二人組参上
インドネシア・ジャワ島の鳥笛演奏に、世界の鳥笛紹介。ジャワ島の竹のアンクルンは子どもたちも挑戦!竹の柔らかい音に子どもたちから「きれいな音だね〜」と声が聞こえてきました。

バリ島のグンデル・ワヤン演奏に子どもたちはとても真剣な表情で聞き入っていましたが、演奏後は積極的に楽器の周りに集まってきました。実際にグンデル・ワヤンを叩いてみたり、高学年の女の子たちはバチの持ち方を教わって叩いて止める練習をしてみたり、みんな興味津々。この日はとても寒かったので「手の熱が奪われる〜」と冷たい鍵盤に触れて驚きつつも楽しそうでした。

面白楽器コーナーでは、おじさん2人が身体を張って楽器を紹介。身の回りにあるものが楽器になってしまう面白さに、子どもたちは魔法をかけられたように釘付けの様子でした。

とりはバリ島のガムラン「ゴング・アンクルン」。元気いっぱいの子どもたちは、初めての楽器に躊躇することなく思いっきり叩いてガムランの響きを楽しみました。

今回のワークショップを通して、子どもたちの世界はちょっとだけ広がったでしょうか。たくさんたくさん遊んで大きくなってね。
豪華なお弁当をいただきVIP待遇を受けました
豪華なお弁当をいただきVIP待遇を受けました

【バリ島便り①】結婚式とポトンギギと火葬式と

結婚式の様子。様々な供物と作法にのっとって行われる
結婚式の様子。様々な供物と作法にのっとって行われる

(ただいまジベカ代表飯田はバリ島出張中です。バリ島での様子をご紹介します!)

 

1月18日(水) この日はお日柄が良かったのか、あちこちで結婚式などの儀式が執り行われていました。マス村のルミカ氏に誘われ、近所のお宅でグンデル・ワヤンの演奏をしてきました。会場のお宅は椰子の葉で細工された飾りや色鮮やかなお供え物で美しく飾られていました。近所の人や親戚がたくさん集まり大変なにぎわいのなか、バリ・ヒンズー教にのっとった結婚の儀式が進行していきました。

ルミカ氏(左)とグンデル・ワヤン演奏の様子
ルミカ氏(左)とグンデル・ワヤン演奏の様子
ポットンギギの様子(外からでは何をしているのかよくわからず)
ポットンギギの様子(外からでは何をしているのかよくわからず)

結婚式の後、「ポトンギギ」(Potong Gigi)という成人の儀式が執り行われました。「ポトン」とは「切る」とか「削る」という意味、「ギギ」は「歯」という意味があり、その名の通り成人になるために歯を削る儀式です。当日は、10人の男女の参加者がきれいにお化粧をして着飾り、番が回ってくるのを待っていました。

 

ポトンギギの儀式の間はずっとグンデル・ワヤンを演奏し続けます。悪霊が入り込まないようにするためだそうです。早朝に行わることが多いのも、やはり悪霊を避けるためとのこと。悪霊に狙われやすい、危うい儀式ポトンギギ。グンデル・ワヤンの甘い音色が響く中、家族や参列者に見守られ無事に終えることができました。

専用のやすりで歯を平らに削る
専用のやすりで歯を平らに削る
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儀式を行う枕元に供えられた色鮮やかなお供え物
儀式を行う枕元に供えられた色鮮やかなお供え物
会場入り口で、主宰者の家主と飯田
会場入り口で、主宰者の家主と飯田

ポトンギギ会場からルミカ氏宅に戻り、しばらくするとにぎやかなガムラン音楽バラガンジュールが聞こえてきました。葬式行列が火葬場へ向かっていたのでした。

 

棺をのせた神輿に2台のグンデル・ワヤンが設置され、演奏者が上で演奏しながら運ばれていきます。このとき演奏されていた曲が、インドの叙事詩「マハーバーラタ物語」に出てくるパンダワ兄弟の怪力の次男「ビモ」武将の怒りというタイトルの「ビモクロド」でした。

 

神輿の上のグンデル・ワヤンの演奏はこの「ビモクロド」でなくてはならないわけではありませんが、神輿が辻々を巡りお墓のある火葬場に向かう道中、時に殺気立った雰囲気は、この「ビモクロド」という曲ととても合っているように思えました。

火葬場へ向かうたくさんの親族や参列者たち
火葬場へ向かうたくさんの親族や参列者たち
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若者たちによるバラガンジュールの演奏
若者たちによるバラガンジュールの演奏
この日は私の大好きなグンデル・ワヤンが影絵芝居の伴奏音楽としてだけでなく、バリの儀式の中でいかに重要な役割を担っているかを改めて実感する1日でした。バリ人の人生の通過儀礼の中、なくてはならない音楽のグンデル・ワヤン。古くからバリの人々の生活に寄り添い、共にある、美しい音楽です。

ガムラン・リハーサル見学レポート(Trifling project)

バリ島のガムランと舞踊は、絶え間なく創作されるクレアシ(新作)により、伝統と発展のバランスを築いてきた。


来年2月25・26日に開催されるTrifling projectによる公演"Semangat Baru"(会場:STAR RISE TOWER "STUDIO JUPITER" http://starrise-tower.com)の緊張感のあるリハーサルを見学した。

通常、影絵芝居の音楽として使われているグンデル・ワヤンの演奏による創作レゴン
通常、影絵芝居の音楽として使われているグンデル・ワヤンの演奏による創作レゴン
ゴング・クビャールの編成に、西ジャワのジャイポンガンのクンダンが加えられ、ケチャッのリズムのハンドクラップの要素もあるラヌス氏の新作"Semangat Baru"
ゴング・クビャールの編成に、西ジャワのジャイポンガンのクンダンが加えられ、ケチャッのリズムのハンドクラップの要素もあるラヌス氏の新作"Semangat Baru"

1980年代以降、バリ島の芸能に魅了された多くの日本人が、音楽・舞踊・影絵芝居などの分野で様々な関わり合いを持ち現在に至る。

今では観光用の芸能として有名なケチャッが、西欧人によって現在のような形態になったことでもわかるように、バリ島の芸能は、昔から外国人の影響を大きく受けて発展してきたようにも思われる。

この5枚鍵盤の楽器は、なんとグンデル・ワヤンのスレンドロ音階のジェゴガン(ブダ氏の発案による) 見たことねぇ…!
この5枚鍵盤の楽器は、なんとグンデル・ワヤンのスレンドロ音階のジェゴガン(ブダ氏の発案による) 見たことねぇ…!

今回のこのプロジェクトは、バリ島の芸能を日本サイドから少々揺さぶりをかけ、新たなる進化発展の一助となる、貴重な挑戦になるのではないかと思えた。(飯田茂樹)


Trifling Project First Concert "Semangat Baru" 1st Day https://www.facebook.com/events/1721137828212134/


Trifling Project First Concert "Semangat Baru" 2nd Day https://www.facebook.com/events/929019583869566/


グンデルの師匠ブダ氏とバリ風おちゃらけポーズ。 プロデューサーあつし、頑張れっ!日本人の演奏者の皆さん、頑張ってください、応援してます!
グンデルの師匠ブダ氏とバリ風おちゃらけポーズ。 プロデューサーあつし、頑張れっ!日本人の演奏者の皆さん、頑張ってください、応援してます!

Bali 1928と今のバリ

東京、高円寺にあるカフェ SUB storeにて、"Bali 1928"(1930年ごろのバリ島のフィルム上映会)のイベントに参加してきました。

1930年代のバリ島の映像は以前にも見たことはありますが、今回の特別な点は、ミゲル・コバルビアス(Miguel Covarrubias)やコリン・マクフィー(Colin McPhee)自らが撮った映像であるということ。バリに興味がある人なら、この二人の名前は必ずと言ってもいいほど どこかで見聞きしているのではないでしょうか。彼らの書いた本を読んでは古き(良き?)バリに思いをはせ、遠い南の島にあこがれを抱いた人も多いのではないかと思います。

『バリ島』Island of BALI ミゲル・コバルビアス著
『バリ島』Island of BALI ミゲル・コバルビアス著
『熱帯の旅人』A House in Bali コリン・マクフィー著
『熱帯の旅人』A House in Bali コリン・マクフィー著

本の登場人物が動く姿や、作家が実際に見たものと同じ景色を 映像を通して見られたことは、なかなか感動的でした。90年近く前のバリの庶民の暮らしや儀式の様子、踊りやガムラン音楽を演奏する人々の姿などを見ていたら、ずっと昔の映像なのになぜか今のバリを見ているような、そんな気がしたのは私だけではないと思います。

 

もちろん、時代とともに変わってきた部分はたくさんありますが、昔から変わらないものがバリでは脈々と息づいていて、そして、まさにその部分が私たち外国人を魅了しているのではないかと、ふとそんなことを思いました。

イベントの最後に、1952年バリ島プリアタン村の楽団がアメリカツアー公演を行った際、TV番組(おそらくエド・サリバン ショー)に出演した映像があり、特別に見せてもらいました。映像の舞踊はオレッグ・タムリリンガン(Oleg Tambulilingan)という蜜蜂が求愛する様子を表現した踊りで、このツアー公演のために作られたと言われています。


踊り手は、コリン・マクフィーの本に出てくる大人になった「サンピ少年」(I Wayan Sampih)、そしてお相手の少女は、私が数年前バリ島にて『バリ舞踊のマエストロの公演』を観た際、オレッグを踊っていたイブ・ラカ(Gusuti Ayu Raka Rasmi)の12歳の時の姿であり、この映像を見た瞬間、本の世界と現実の世界が私の中でがっちりと繋がったのでした。

大人になった「サンピ少年」(I Wayan Sampih)
大人になった「サンピ少年」(I Wayan Sampih)
少女時代のイブ・ラカ(Gusti Ayu Raka Rasmi)
少女時代のイブ・ラカ(Gusti Ayu Raka Rasmi)

大事なものが変わらないバリ、次世代へと繋がるバリ、そんなバリを改めて感じることができ、ちょっと幸せな気分になったイベントでした。(あ)

ジベカ旗揚げ公演の写真レポート

9.29に開催された第1回ジベカ公演は、無事に終了しました。たくさんの方にご来場いただき、ありがとうございました。


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ジャワ島のグンデルでお出迎え(演奏:増田)

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世界の鳥笛とインドネシア東部・ヌサ トゥンガラ地方の写真スライドショー(鳥笛:飯田、ピアノ:福沢、写真:松田)

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西ジャワ地方の伝統楽器、アンクルンの体験ワークショップ(全体指導:飯田)

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ゲストの「スミリール」代表・スミヤントさん(右)

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ジャワのガムラン音楽演奏「スミリール」(左から:スミヤント、さとうじゅんこ、増田久未)

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バリ島のガムラン、ゴング・アンクルンの体験ワークショップ(全体指導:飯田)

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バリ島の影絵芝居のガムラン音楽、グンデル・ワヤン演奏

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ダラン(人形つかい・うた):宮崎、演奏:飯田(左)、大森(左奥)、大竹(右)、増田(右奥)

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JIBECA9.29 出演者、スタッフ一同


写真:松田修一

バリ島マス村の大きな祭り(ルミカ氏からの便り)

奉納演奏の様子(写真:ルミカ氏より提供)
奉納演奏の様子(写真:ルミカ氏より提供)
昨日はバリ島では「クニンガン」(日本でいう送り盆のような日)という大きな祭日でしたが、ルミカ氏の住むマス村は、毎回「クニンガン」の日は大変なにぎわいとなります。
マス村にはPura Taman Pule(プラ タマン プリ)という大きな寺院があり、バリ島中からたくさんの人々が参拝にやってくるのです。
参拝の順番のために長時間待つことも
参拝の順番のために長時間待つことも

お寺の前の広場には、食べ物や衣類、日用品、おもちゃなどの屋台がぎっしりと並び、「クニンガン」からの数日間は、ガムランの演奏とともに舞踊や演劇など、バリの伝統芸能が夜遅くまで催されます。

夜の演目でクンダン(両面太鼓)演奏するルミカ氏(写真:右 2012.9撮影)
夜の演目でクンダン(両面太鼓)演奏するルミカ氏(写真:右 2012.9撮影)
人々が参拝している間、グンデル・ワヤンの音色が境内に響く
人々が参拝している間、グンデル・ワヤンの音色が境内に響く
左:ルミカ氏、右:アユちゃん(写真2枚:ルミカ氏より提供)
左:ルミカ氏、右:アユちゃん(写真2枚:ルミカ氏より提供)
ルミカ氏は娘のアユちゃんとともに、グンデル・ワヤン(先日のワークショップで演奏の少人数編成のガムラン)を奉納演奏されたとのことです。

きっとそのような場での音楽は、またさらに美しく響くことでしょうね。
ワヤン・ウォン(Wayang Wong) 古典仮面劇。伴奏はグンデル・ワヤン(写真:後方)
ワヤン・ウォン(Wayang Wong) 古典仮面劇。伴奏はグンデル・ワヤン(写真:後方)
ワヤン・ウォンは毎回必ずマス村のクニンガンで演じられる
ワヤン・ウォンは毎回必ずマス村のクニンガンで演じられる
宗教や人々の生活と密着しているバリ島の芸能。その芸能は、日本で生活する私たちを魅了し、どこか懐かしさすら感じさせます。

このバリの祭りの風景が、変わらず続いていくことを 私たちは願ってやみません。
出店で売られていたカラフルなヤドカリたち
出店で売られていたカラフルなヤドカリたち

ルミカ氏・アユちゃん(バリ島マス村)ガムラン交流会 〈9月6日〉

先日、盛り上がりのうちに終了した交流会1日目の写真です。

 

写真:田村 善郎

バリ島でインタビュー! "グンデル・ワヤンの継承"

バリ島のガムラン音楽のひとつ「グンデル・ワヤン」(gender wayang)は、数多くあるガムラン音楽の中でも最も小さい編成(最少人数2人~)のガムランで、バリ島では影絵芝居「ワヤン」の音楽として、また、人生の節目の儀式(成人式、お葬式など)の音楽として、バリ人の生活に大変深く根ざしている音楽です。

PKB2016 優勝グループ (facebookより)
PKB2016 優勝グループ (facebookより)
近年バリ島では、子どもの習い事としてその人気が高まっており、各地で頻繁にコンテストが開催されています。子どもたちは綺麗にお化粧をしてもらい、美しい伝統衣装に身を包んだハレの姿で、日頃の練習の成果を舞台の上で発揮します。それはもう、大人顔負けの堂々としたパフォーマンスです。
今回、ガムラン演奏家、作曲家であり、グンデル ・ワヤンの指導者としても近年目覚ましい活躍をみせているブダ氏(I Ketut Buda Astra・47歳・ギャニャール県スカワティ村出身)が飯田(JIBECA代表)のインタビューに応えてくれました。(インタビュー:2016/7/1 スカワティ村ババカンにて)
子どもたち150人による演奏(facebookより)
子どもたち150人による演奏(facebookより)

ブダ氏は、バリ島で毎年6月中旬から約1ヶ月の間 開催されるアートフェスティバル(通称PKB)の「子どもグンデル・ワヤン コンテスト」(2013~)で、指導したグループすべて(2013,15,16年度の3回)を優勝に導きました。そして今年4月のバリ州ギャニャール県の成立記念日の催しでは、総勢150人の子どもたちを率いてグンデル ワヤン演奏の舞台を成功させました。

村の祭りでお披露目 (PKB2013 優勝グループ)
村の祭りでお披露目 (PKB2013 優勝グループ)

名実ともにグンデル ワヤン指導者の第一人者であるといえるブダ氏。子どもたちにグンデルを教えるようになった経緯、教え方のコツなど、超多忙な合間に時間をとっていただき、インタビューに応えてもらいました。


飯田:コンテストで1位入賞、おめでとうございます。どんなお気持ちですか。
ブダ:ありがとうございます。今年は正直大変でした。去年のグループは、皆スカワティ村出身の地元の子どもたちで、代表に選ばれた時点ですでに演奏のテクニックはほぼ習得していて、課題曲3曲のうち2曲はもう弾けていました。残り1つの新曲(Ombak Atarum 「混ざり合う波」という意のブダ氏の新曲)を頑張ればいいだけでした。
しかし今年のグループは、選ばれた時点では演奏テクニックは50%ほど、課題曲は4曲もあり、すべてがゼロからのスタートでした。
飯田:どれくらい練習しましたか?
ブダ:4月の末から練習をスタートしました。始めは(自分の時間がとれなかったので)週に2回を基本としました。
本番は6月中旬なので、私たちには2カ月ほどしか練習する期間がありませんでした。5月末からは、毎日練習しました。私は毎回の練習で、たくさん叱りました。そうしないと、子どもたちは気を抜いて本気にならないからです。私たちにはたった2カ月しかなかったので、厳しく教えなくてはなりませんでした。
優勝した子どもたちとブダ氏(写真提供:ブダ氏)
優勝した子どもたちとブダ氏(写真提供:ブダ氏)

コンテスト本番の子どもたちの演奏には、私は本当に満足しました。子どもたちは、私が教えたすべてをそこで体現してくれました。その時できる最大限の力を発揮してくれました。演奏直後に子どもたちにかけた言葉は、「結果は何であれ、自分は大変満足している。君たちを大変誇りに思う」そう話しました。結果としては1位となりましたが、私は結果に関わらず、子どもたちの演奏には本当に心から満足し、嬉しい気持ちでいっぱいになりました。子どもたちは自分に対して「ありがとう」と思っていると思いますが、私の方からも「ありがとう」と強く思っています。

飯田:(涙)感動しています。
子どもたちにグンデル ワヤンを教えるようになった経緯を教えてください。
ブダ:このことは、前から考えていました。たぶん、4年くらい前からでしょうか。私はグンデル・ワヤンをしっかりと次の世代へ継承しなくてはならないということに責任を感じるようになりました。私のようにグンデルを愛し、子どもたちに情熱を持って教えることが出来る人は、私の他にはいないと思っています。スカワティ村はグンデル・ワヤン弾きが昔から多くいました。私の父も祖父も曽祖父も… 私の代で終わってしまったら、先祖に怒られます。(笑)

飯田:(ため息)長年スカワティ村の人々に関わってきましたが、このような話しを他で聞いたことはありません。本当に素晴らしいことですね。
練習風景(PKB2015 優勝グループ)
練習風景(PKB2015 優勝グループ)
ブダ:私はグンデル・ワヤンには大きな「借り」があります。というのは、私は幼い頃に父を亡くし、母も仕事がなく、自分でお金を稼いで生きていかなくてはなりませんでした。小学校5年生の時には、すでにワヤン一座の一員として演奏に参加し、そこで得たお金を学費に遣い、生活をしてきました。中学、高校もグンデル・ワヤンで稼いだお金で通い、グンデル・ワヤンで奨学金をもらって芸術大学を卒業することもできました。私はまさにグンデル・ワヤンによって生かされてきたのです。私はそのことを忘れず、グンデル・ワヤンを継承していく責任があります。
飯田:たくさんの子どもたちがこのようにグンデル・ワヤンを習うようになったのは、どうしてですか?
というのも、私が留学していた30年前は、グンデル・ワヤンを演奏出来る人は稀で、ましてや子どもたちが演奏することはありませんでした。
ブダ:私の考えですが、まず1つにはPKBのコンテストの影響があると思います。2013年から、子どものグンデル・ワヤン コンテストが始まりました。(ブダ氏自身の娘も参加し優勝) 州都のデンパサール市から、子どもたちがグンデル・ワヤンを学ぶ流れが始まりました。今でもデンパサール市は大変教育に力を入れていて、市のサポートがとても厚いです。無料のレッスンがあちこちで開催されていて、そのおかげでたくさんの演奏者が育っています。

そのほかの要因としては、親の考え方によるものだと思います。最近の子どもたちは、学校が終われば塾やコンピューターの習い事など、大変忙しくしています。親は、子どもたちにバランス良く成長して欲しいと思っています。勉強ばかりではメンタルが偏ってしまいます。芸術分野に触れさせバランスをとりたいと思い、グンデル・ワヤンを習わせるようになったのではないかと思います。
現在、毎週土日はレベル別にクラスを設け、朝から夕方まで指導にあたっている(facebookより)
現在、毎週土日はレベル別にクラスを設け、朝から夕方まで指導にあたっている(facebookより)
子どもたちに教えるのは、習う方も教える方も大変忍耐がいります。私は子どもたちにただグンデル・ワヤンを弾けるようになって欲しくはありません。やるからには「上手に」弾けるようになって欲しいのです。
だからプロセスはとても長いです。パングル(バチ)の持ち方、叩き方、音の止め方…基礎段階でで学ぶことはたくさんあります。私は、習い始めた子どもたちの親に「子どもがすぐに上手くなることを求めてはいけない」と話します。そうでないと、「どうしてウチの子はなかなか弾けるようにならないのだ?」と言われてしまいますから。(笑)
ワヤン・ラーマーヤナの練習風景。「子どもたちに常に目標を与え、さらにその力を伸ばしてあげたい」とブダ氏
ワヤン・ラーマーヤナの練習風景。「子どもたちに常に目標を与え、さらにその力を伸ばしてあげたい」とブダ氏
飯田:ブダさんから見て、子どもたちは楽しく学んでいますか?
ブダ:たぶん最初は楽しくないと思います。(笑) なぜなら親に無理やり連れてこられてますから。でも練習を始めて、学ぶプロセスを知ってからは楽しそうにしています。

私は教える際、彼らを惹きつけられるよう努めています。始めたばかりの子が、難しくて出来ず、ストレスになることは一般的によくありますが、それはとても危険なことです。プロセスがどんなに長くなっても、私は習い始めた子どもたちがどうやったらグンデル・ワヤンを楽しいと思ってくれるか、考えて教えています。
本番での生き生きとした子どもたちの様子から、演奏することが楽しくてしょうがないのが伝わる(ワヤン公演PKB2015)
本番での生き生きとした子どもたちの様子から、演奏することが楽しくてしょうがないのが伝わる(ワヤン公演PKB2015)
飯田:子どもたちが楽しく学ぶキーポイントは何ですか?
ブダ:最初は曲を教えないことですね。私は、簡単にすぐ出来るメロディを作って教えます。初め子どもたちは、「グンデル・ワヤンは難しい」という先入観を持っているのですが、簡単なメロディを教えると「自分は出来る」と思うのです。最初に「なんだ、グンデル・ワヤンは簡単だ!」と思わせることがコツです。
もちろんグンデル・ワヤンはバリ島のガムランの中で最も難しい楽器のひとつです。その後は難しいことがたくさん待っています。(笑) しかし最初に簡単なところから入り、テクニックを習得したら、難しいものもそんなに難しいと感じなくなります。基礎を習得していない状態で曲を教えると、子どもたちは難しくて飽きてしまうでしょう。 
飯田:どうやって、その指導方法を学びましたか?
ブダ:実はたくさんの外国の生徒に教えた経験からです。彼らにグンデル・ワヤンを教え、そして自分も教え方を学びました。彼らがどうやったら出来るようになるか、常に考えながら教えてきました。そのことにはとても感謝しています。

飯田:お話しされていることは(自分も教えているので)とてもよくわかります。
いつ頃から外国人に教え始めたのですか?
ブダ:何年くらい前かな…。たぶん1996年くらいかな…。教えた生徒はたくさんいます。日本からもたくさん来ましたし、カナダ、アメリカ、オーストラリア、ドイツ…様々な国の方々がグンデル・ワヤンを習いに来てくれました。

ここで、次の約束の生徒さんがやってきたため、インタビューは中断となりました。

芸能人が分刻みでインタビューに応えてくれる、そんな状況を思わせるような多忙なブダ氏でした。

続きはまたの機会にお話を伺いたいと思います。

ブダ氏が不在の際は、先輩の子どもたちが教える微笑ましい光景
ブダ氏が不在の際は、先輩の子どもたちが教える微笑ましい光景
ブダ氏の兄、ジュアンダ氏(写真:左)はダラン(人形遣い)として後進の指導にあたっている。兄弟でバリの芸能の継承に熱い
ブダ氏の兄、ジュアンダ氏(写真:左)はダラン(人形遣い)として後進の指導にあたっている。兄弟でバリの芸能の継承に熱い

インタビューを抜粋してリポートしました。

ブダ氏は、超多忙にも関わらずとてもにこやかに、時には冗談を交えながら応えてくれました。

どんなに忙しくても、グンデル・ワヤンを練習したいと子どもがやってきたら、つい対応してしまうそうです。芸術家の魂が黙ってはいられないとか…。

お身体にはくれぐれも気をつけていただきたいものですが、スカワティ村のグンデル・ワヤンは安泰といったところでしょうか。

ブダ氏のグンデル・ワヤン指導法に、私たち外国人生徒の存在が関係していたとは、なかなか興味深いお話しです。図らずもスカワティ村のグンデル・ワヤンの発展、バリ島の文化継承に貢献していたとは、不思議なものですね。
(オマケの話、今年のPKB優勝メンバーの1人(最年少女子アユ・ミカ〈マス村〉)がグンデル・ワヤンを始めたのは、我々JIBECAメンバーからの影響というから、感慨深いです)
インタビュー後にブダ氏と
インタビュー後にブダ氏と
さて、今回インタビュー第1号として、私たち"パンダワ・ピトゥ"(影絵芝居グループ)の音楽監督としても指導いただいた、バリ島スカワティ村のグンデル・ワヤンの第一人者のひとり、ブダ氏にお話しを伺いました。
今後も幅広い分野で、いろんな人にお話しを伺っていきたいと思います!
どうぞお楽しみにしていてください。

バリ島へガムラン留学〜Jibeca設立

ロチェン師匠と
ロチェン師匠と
1983年4月、本団体代表である飯田茂樹が、ガムラン音楽を学ぶためバリ島へ渡りました。(1983~1986)

まだ観光客も今のように多くはなかった1980年代初頭のバリ島に、ガムランを学びたいという熱い思いを胸にひとり飛び込みました。

バリでの生活に溶け込み、ガムラン漬けの日々を送るなか、影絵芝居(ワヤン)の音楽であるグンデルワヤンに出会い、その音楽の美しさ、複雑さに魅せられた飯田は、当時グンデル演奏の第一人者であったロチェン(I Wayan Loceng)氏に師事。

留学から帰国後もその熱意は変わらず、多くの生徒にガムランを教えるかたわら、毎年継続してバリ島へ行き、現地との交流を深めるとともに自身の研鑚を重ねています。

そして、2015年6月1日、日本インドネシア・バリ教育文化協会(任意団体)が設立されました。

もしかしたら、飯田がバリへ発ったその時からが、すべての始まりだったのかもしれません。30年前と変わらぬ思いを今に繋げています。

バリ島から来日!ワークショップ

東京学芸大学(東京都小金井市)にて、バリ島より演奏家イ・ワヤン・ルミカ氏を迎え、ガムラン・ワークショップを行いました。

当日は小学校低学年のお子さんから大学生、お孫さんのいる世代まで、幅広い年齢層の方々が参加してくれました。

ルミカ氏のクンダン(太鼓)演奏のデモンストレーションでは、本場のダイナミックな演奏に皆一同に驚き、大変熱心に聞き入っていました。

バリ島留学から帰国したばかりの者たちによるガムラン演奏、留学談話などがあり、ワークショップ後半は、実際に参加者全員にさまざまな種類のガムランをたたく体験をしてもらいました。

最後に全体で合奏を行い、ガムランの音、響きをじかに感じてもらい、盛り上がりのうち終了~~!

年齢、初心者経験者を問わず、だれでもみんな一緒に楽しめるのが、ガムランのいいところの一つでもあります。