Introduction of Ethnic musical Instruments

民族楽器の紹介

魅力あふれるユニークな世界の民族楽器を少しずつ紹介します。

(監修:飯田 茂樹)

グンデル・ワヤン(Gender Wayang)

数多くあるバリ島のガムランの中でも、最も小さい編成(最少人数2人〜)で、影絵芝居「ワヤン・クリッ」(Wayang Kulit)の伴奏として、また、人生の節目の儀礼(成人式、お葬式など)の音楽として演奏される。

棒の一端に円盤状の堅い木が付けられたバチを両手で持ち、青銅製の鍵盤(2オクターブ 10枚)を叩いて演奏する。主に左手はゆったりとしたメロディ的なパートを担当し、右手は細かく速いリズムと旋律を担当することが多い。

1度叩かれ出た音は長く響き、そのまま演奏し続ければ音は混じり合い鮮明に聞こえない。そのため叩いた音の鍵盤を次の鍵盤を叩くと同時に、手首で押さえてその音を消すといった作業を、両手で繰り返し演奏を行う。

音階は日本の民謡やわらべ歌の音階と似たスレンドロ音階。

影絵芝居「ワヤン」伴奏の様子
影絵芝居「ワヤン」伴奏の様子
神輿の上に設置され、火葬場へ向かう間演奏をする(ウブドでの火葬式にて)
神輿の上に設置され、火葬場へ向かう間演奏をする(ウブドでの火葬式にて)
最近は子どもの習い事としても人気が高く、コンテストも頻繁に開催されている(スカワティ村にて)
最近は子どもの習い事としても人気が高く、コンテストも頻繁に開催されている(スカワティ村にて)


竹のアンクルン(Angklung/Kocok)

オクターブに調律された2本の竹筒が、四角く組まれた竹枠に吊るされていて、竹枠を細かく振ることにより竹筒の端の突起が、竹枠の四角い穴の内側にぶつかり音を出す。音程は竹の長さ・太さによって異なり、ハンドベルのように何人かで分担して演奏するか、専用の台に順に吊り下げ演奏する。竹ならではの、コロコロとした柔らかい音色がとても心地よい。

インドネシア・ジャワ島西部(スンダ地方)が起源とされる。2010年、ユネスコの無形文化遺産に登録された。

子供たちによる演奏(西ジャワ地方バンドゥンにて)
子供たちによる演奏(西ジャワ地方バンドゥンにて)
1人でいくつものアンクルンを操って演奏する様子(バンドゥン)
1人でいくつものアンクルンを操って演奏する様子(バンドゥン)
バリ芸術祭(2016)での演奏。バリ島ではコチョッ(Kocok)ともよばれる
バリ芸術祭(2016)での演奏。バリ島ではコチョッ(Kocok)ともよばれる
バンドの中で演奏されるアンクルン(ジョグジャカルタ(ジャワ島中部)のストリートにて)
バンドの中で演奏されるアンクルン(ジョグジャカルタ(ジャワ島中部)のストリートにて)